元証券営業マンの本音で語りたいこと

元証券マンとして証券営業の実情から投資信託や株式のことなども本音で語っていくブログです。

新発の外国債券を募集している時に言えなかったことを本音で語ってみる

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証券マンから新発で発行される外国債券の案内や提案を受けたことはありますか?

 

実はアレ、多くの証券会社で毎月1~3本くらい恒例行事のように訪れるものなんです。

 

今回は、そんな新発外債の募集時に言えなかったことをまとめてみます。

 

 

もっと良い条件の既発債があります

新発債は、ノルマが振り分けられるので、その商品をしっかり捌かないといけません。

特に期日が近くに迫っていたり、収益が上がってなくて短期集中で募集をする方針を上が決めたら、総合的な運用のアドバイスはできなくなります。

短期で各営業マンもお客さんと勝負するしかなくなるんですよ。

 

そうなると、新発の外国債券を買ってもらうための話しかしなくなるので、

「もっと短い物はないの?」

「もっと利率が良いものを紹介して」

と言われても、全力で今やらなければならない新発外債を提案していくことになります。

その結果、断れて何も決まらないケースは出てくるのですが、また後日に商品を改めて提案していくことで、対応する感じです。

 

とにかく、期日が迫っている新発は、何があっても最優先と言った感じで、数字を詰めている(支店全体で取り組んでいる)時に、他の商品などを決めてしまった場合は、空気を読めない痛い子を通り越して、仕事しろ的な扱いになることもしばしばでした。

 

ロットと上司によってはお説教まであり得ます。

力のなさが浮き彫りになるんですね。

お客さんは動いたのですから、なぜそれを自分の買ってほしい商品に誘導できなかったんだという感じです。

 

そんな状況ですから、新発債よりも条件の良い既発債があったとしても、案内されることは基本的にありません。

すんなりはけてしまって、新発債が無くなれば、そこからの展開として既発債の提案にシフトすることは往々にしてあることですが、兎にも角にも新発債が来たら、それ以外なしって状況でした。

 

従って、言いたくても言えない第一位は「もっと条件の良い既発債があります」です。

 

手数料を払ったら利回りがしょぼいです

外国の債券は日本に比べて高い傾向があり、時代によってはとても大きな国内外の金利差が生じます。

 

それが魅力であり、為替の見通しの方がもっと大事ですが、金利面で魅力を感じる方がやはり多くいました。

 

対面の証券会社を利用する人は、提案ありきの投資スタイルであることが多いので、より有利に運用しようと言うより、如何に儲けをたくさん出してくれるかを重視する人が多いと言う特徴があります。

 

そうなるとコスト管理にかなり甘くなり、手数料を勘案した実質的に受け取れる利子計算や利回り計算を求める人は僅かでした。(買い付け者ベース)

 

為替の手数料や外国口座管理料などを勘案すると、利回りがしょぼくなることもよくあって、特に少額で投資する人は管理料(当時3150円)の影響が大きくなっていたこともありました。

 

行き過ぎれば流石に止めますが、想像している利回りと実際の利回りに差が生じていることはありそうでしたね。

 

かかる手数料は全て説明しますが、利回りの観点は抜けがちでしたし、「結局、外債は為替でしょ」って感じでした。

 

それ自体は完全な間違いとも言えませんが、今思うと心が痛みます。

 

第二位は「手数料を払ったら利回りはしょぼい」です。

 

それ売るなら買わない方がいいです

先程の「儲け主義」の部分、とにかく儲けさせてほしいというところに共通するのですが、新しい商品を紹介する時、新しい資金で何かを買ってもらうことは、保有の商品を売却して買ってもらうより難しいです。

 

そこに置いてあるお金でどうにかしてというニーズですね。

(実際にはほぼ有価証券になっています)

 

従って、「これを売って、これを買いましょう」との提案はどうしても増えるのですが、お金のある顧客へは新規資金導入を目指して売却ありきの提案をしないこともあります。

 

また、提案者としてもポートフォリオを考えて売却銘柄を決めて提案するのですが、上記と合わせて、こちらの意図しない商品を売却して、提案の外債を買おうとすることがあります。

 

例えば、外債と株式で運用している人に、外債から外債への入れ替えを提案したとします。

魅力的な通貨への乗り換え提案であり、利回りがアップするのが提案の趣旨だとすると、それを理解するかしないかに関わらず、国内株から乗り換えたいという返事をする人が出てくるんですね。

 

株が悪い状況ならそれでも問題ありませんが、時期に寄っては非常にもったいない乗り換えになってしまいます。

しかも既に外債を保有しているのですから、円安で利益の上がる状態になっているのです。

さらに、こういう乗り換えに顧客が積極的になるのは、ほとんどの場合で儲かっているものを利益確定する意味が含まれていることが多いんですね。

 

相場の状況が良くて、値上がりしている銘柄を保有しているのなら、株を売って外債を買うのは投資効率を落とし兼ねない判断です。

客観的に言って、それなら買い付けを見送った方が良い場合があります。

提案する立場としても、全く意図しない売買が成立することになってしまうので本来なら提案自体を取り下げて、如何にその判断が非効率な運用になるのかを説明するべきです。

 

しかし、それを口にできるのは、そのが外債の募集において余裕のある場合のみになってしまいます。

一度取り下げた提案を再提案するのは、顧客の信用を落とすのでご法度です。

ですので、乗り気になった顧客が言い出すことは瞬時に判断して、そのまま顧客の言う通りに動いてもらうのか、非効率な売買だと判断して提案自体を取り下げるのかを決めねばなりません。

 

募集商品は、大体のスケジュールが決まっているので、当然準備をしながら募集期間に入りますから、ある程度の「見込んだ予定」が存在します。

でも予定は未定と言わんばかりに、いつも想定通りの募集ができるわけではありません。

私の場合は、なるべく良い提案で募集を済ませることができるように、前々から話を振っておいて予定を具体化させていたので、ある程度はセーブできていたのですが、それでも明らかにそれは良くない売買だなと思ってもやらざるを得ない状況になることもありました。

 

出来ない営業マンは、どんどんそういった売買が増えるので、結局自分の首を絞めてしまい、もっと追い込まれることになるのですが、それでもやるしかないのが現場と言った感じでしたね。

 

証券マンに取って外債に限らず、募集は営業力を試される時であり、非常に厄介なものです。

出来ない証券マンはこのような理由からも淘汰されていきます。

プレッシャーに負ける場合は、上手く顧客のポートフォリオを組めなり、利益を提供できないことで袋小路に追い込まれていくのです。

 

第3位は「それ売るなら買わなくていい」です。

 

まとめ

細かいことを書きだすとキリが無いのですが、代表的だと思うことを挙げて見ました。

新しい商品=良い物

であれば問題ないですが、証券会社も自社の顧客がどのようなポートフォリオになっているのかのデータを取っています。

 

いくら良い通貨でも、当然ながら想定外の動きをすることがあります。

データを活用して、顧客の保有する資産があまり偏ったポートフォリオにしないように気を付けるとすると、ヘッジの意味で無駄だと思われる通貨や商品を組み込むこともあるんです。

 

所謂、調整という形ですね。

事情があって、本部の取り扱い商品を決定する会議にも出ていたことがあるのですが、それは衝撃的な話でした。

 

営業マンの提案に乗るタイプの人がこのブログを訪問して頂いたなら、参考にしてもらえたらと思います。

 

 

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