証券マンに外国株式の取引を提案されたら気を付けて下さい|証券営業で一番手数料が抜ける取引とは
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こんな記事を書きました。
ここでは、外国株の取引きの方法として、「店頭取引」と「委託取引」を説明しています。
記事内で説明していますが、外国株を店頭取引きで売買すると、売り買い合計で4%の手数料が抜けます。(私の元いた会社では)
かなり凶悪な数字ですので、今回は証券営業で一番手数料が抜ける取引について説明します。
もし、自分の担当者から外国株の取引きを提案されたら気を付けて下さい。
今回は、目線を営業マンとして語りますので、いつもよりも少しブラックな内容になります。
回転できる株は最も手数料が抜ける商品
株式は、基本的に短期の顧客が多くなっています。
長期でやりたい顧客は、投資信託や債券にいきがちですので、こちらの提案で株を始める人はほぼ短期で株を売買することになります。
それは、私が以前から言っている手数料のノルマがあるからです。
手数料以外でもいくつかのカテゴリーで細かくノルマがありますが、その中でも手数料は基本のノルマとして考えられているものです。
手数料を稼がないといけないと思った時、最も効率的なツールが株です。
株は、値上がりしたら回転できますし、下がっても売る理由があれば回転できます。
要は、顧客に信頼されれば理由を付けることでどんな状況でも回転でき、手数料を稼ぐことができるわけです。
営業マンからすると、いかに生かさず殺さずの微妙な状況で手数料を抜けるかを考えることになります。
儲かっている状態では、顧客からの信頼を失うことは少ないですが、手数料に目がくらんで客を無理させれば、信頼を失い、客は離れていくので、簡単と言っても色々なテクニックがあるわけですが、上昇相場では株の売買でおもしろいほど手数料が上がるのです。
それが外国株になると、とんでもない額にまで膨れます。
例えば、1000万円の外国株を店頭取引きで売り買いすれば、それだけで40万の手数料が支払われることになり、担当者の成績になります。
しかも、それが1週間とかで値上がりして、入れ替えを行えばさらに40万。
合計で80万の手数料です。
儲けを前提に取引をすれば、顧客の満足感を得ながら、高額の手数料を抜くことが可能になるわけです。
しかし、4%の手数料を支払って、本当に儲かるのでしょうか。
外株の凶悪さ
リーマンショックからの立ち直りの時期、日本株は出遅れました。
上昇したのは、海外株。
その時、私の勤めていた証券会社では、会社命令で外株の店頭取引きをする顧客を作るように指示がありました。
売り買いで4%の商品を持たせて、うまく時流に乗って月に数回転させれば一人当たり数十万の手数料が入ってくると想定して、そのような指示を出しています。
ノルマも作られて、週単位で数字合わせをしながら、皆必死に外株の顧客を作ります。
「投信ではなくて、個別の外株を持ちませんか?
上手く運用すれば、ファンドよりも儲かると思いますよ」
と言って、詳しくその方法などを説明する日々を過ごしていました。
ようやく1億くらい外株で短期運用してくれる客を集め終えました。
ほとんどの営業マンは似たような数字で、課長連中だけは2~5億くらい積んでいましたね。
外株をやる顧客はそんなに多くは作れません。
ある程度知識がありつつ、こちらの提案に乗ってくれる人が対象になるので、1億積むだけでも大変でした。
そんな勧誘後にスタートした当初は、4%の手数料をかけても儲かるお客さんが多くいました。
米株は上昇相場入りしてましたし、無理をする営業マンもほぼいない時期でしたので。
しかし、ある程度の期間が経つと、どんどん顧客を潰していく営業マンが現れます。
原因は、日々の手数料が追い付かないことで外株の顧客に無理をさせ、ついに愛想を尽かされてしまっていたのです。
デキない営業マンは、すぐに常連客に頼ってしまい、客を飛ばしてしまいます。
多くの客から少しずつ手数料を貰うことができないからです。
こうなることは想定できたことでした。
できない奴は迷惑をかける方法だなと。
4%の手数料を貰うということはそれだけ儲かることが難しいことを意味しています。
しかし、しばらくすると私の顧客も離れていく人が出てきました。
どう頑張っても儲からないのです。
4%の手数料を貰いながら運用すると、儲かっても少しだけ。
そして、確率の問題で引いてくる動きの悪い銘柄を払っていると、すぐにトントンになっていました。
これは当時の私に取っては非常にショックでした。
自分が客を守りきれないことを確信したんです。
なぜなら、上司にも私の外国株がどのような状況になっているかを掴まれていて、もっと儲けを取ってから売りたいと思っていても、「それ売って、これを買え」
などの指示がでることが日常的になっていったからです。
「なんでおまえのケツを俺がふかなきゃいけないんだ」
何度思ったか分からないのですが、当時の上司は最悪で、自分は無理をさせて客を飛ばしたんだから、お前も飛ばせと言わんばかりに私に売買を強要してくるわけですよ。
要は、課長の仕事が楽になるくらい、外株の店頭取引きで回転売買すると、とんでもない手数料が入ってくるのです。
従って、顧客としては
儲かっても薄利
損する時は大きい
との状態に陥り、儲かることはありませんでした。
しかも、上がる手数料が大きいことで上司のチェックまで入り、自分の仕事以外のことまでやらされる始末。
もう辞めようと思ったきっかけの一つでした。
証券マンに一番簡単に手数料を上げるにはどうしたら良いか聞かれたら、すぐに外株だと答えます
証券マンに手数料の相談を受けたら、即答します。
外株の店頭取引の客を1億作れと。
それで恐らく月の半分くらいの手数料ノルマが達成できるはずです。
売り買いさせたり、フォローの仕方は都度説明になるので、一回の相談で成績を向上させてあげられるかはその人の力次第ですが、せめて光が見えるでしょう。
あくまで、証券マンに聞かれたらですけどね。
従って、顧客の立場の方に言うなら、店頭取引で外株をやるのはやめておいた方がいいし、もし担当者主導でやるならほぼ確実に潰されますよと伝えます。
コストの意識はやはり大事です。
外株を本気でやってみて、思いました。
やっぱり、4%もらいながら回転売買は凶悪過ぎると。
しかも、もし見通しの変化があって、下がった状態でも手放さないといけないことになった場合は、値下がり分だけでも大きな損なのに、手数料が4%ですからね。
それまでにどれだけ儲かっておけばいいのさ、と落胆するしかありません。
上がる手数料が大きい商品は、経験上、どこかで何かがあった時に頼り易いです。
逆転ホームランで一日を終えることができてしまうので、本当にヤバイ時は、客のことを考えずに凶悪な手数料収入に屈して提案してしまうのが、証券マンです。
外圧の関係だったり、その営業マンの個人的な事情であったり、様々な要因で手数料がどうしても必要な時が存在しています。
もしこれを読んだ人が、営業マンに勧められて外株を店頭取引きで行っているのなら、即刻運用商品を変えることをお勧めしておきます。
まとめ
私の証券マン時代の黒歴史ベスト3の内、第3位が今回テーマにした、外国株式の店頭取引きに纏わる話です。
今でも思い出したくない経験ですね。
上司次第だったと思いますが、私の中の頼り方も問題があったと反省しています。
あらゆる意味で凶悪でした。
いずれにしても、総合的(ここにミソがあるのですが)に手数料を最も稼げるのは、外株であることに間違いないです。
「回転」が手数料を稼ぐうえで最も大切なキーワードですが、個別株だからこそリスク管理だとか、利食い千人力だとかで理由をつけて、回転し易いのが特徴です。
証券マンに勧められた際は、十分に注意をしましょう。
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