元証券営業マンの本音で語りたいこと

元証券マンとして証券営業の実情から投資信託や株式のことなども本音で語っていくブログです。

証券営業マンの離職率|私の経験から思うこと

 スポンサードリンク

f:id:Brightfuture:20141011204958j:plain

今回は、証券マンの離職率について考えていきます。

 

厚生労働省発表の若者雇用関連データ(H22卒業者)によると、大学卒業3年後の離職率は31.0%とのことです。

正社員でも入社から3年以内に辞めてしまう人が3人に1人なわけですから、同期がボコボコ減っていくのも普通のこととして捉えるべき状況ですね。

 

さらにそれを業種別にみてみると、かなりの差があることに気が付きます。

f:id:Brightfuture:20141009120501p:plain

私が入社したのが証券会社なので、業種別の離職率に大きな差がでることは、入社から月日を増す毎に実感の中で確信することでもありましたが、こうやってデータを作ってみると、なかなか興味深いですね。

 

私の書くことは、証券会社がきついよという内容になり勝ちですが、何も私のしんどさを相対比較の中でいっているわけではありません。

確かに相対比較でも言えることかもしれないのですが、お金の相談をする相手としてどうなのかという観点で書いている部分が大きいので、そこら辺は誤解がないようにして頂きたいと思います。

証券会社よりしんどい思いをされている業種の方も多いですし、証券会社は辛さに見合った報酬がもらえる点で恵まれているとも言えます。

 

その前提にたって、今回のテーマである、「証券営業マンの離職率」について述べていきます。

 

 

証券営業マンの入社から3年で生き残る確率は

まず、証券営業マンの括りで言えば4年目を迎える可能性は経験上、3割でした。

成績の上がらない同期は容赦なく毎日詰められることになるので、コンスタントに成果を上げることができないと営業マンを続けることはできない世界だと言えます。

成果が目に見えますし、そのプロセスもかなり明確に判断ができるほど証券営業の世界は、営業マンとしての価値がシースルー状態です。

入社から3年目くらいまでは新規開拓が主な業務になりますが、見込客の発掘から新規顧客にしていくことはいくつかの限られたプロセスを経ていくだけなので、その内容をみれば来月から急激に成績を上げてくることがないことを上司は的確に掴むことができますので、「頑張ります」は通じないわけですね。

 

しかし、証券営業マンとしての定着率を上では触れているだけですので、会社としての離職率は違ってきます。

経験上の離職率は、3年で考えると5割くらいです。

精神的に強い社員は、そのプレッシャーに押し勝ち、他の部へ転勤していくまで耐えることができ、新しい部署で頑張る者が一定数出てきます。

これは、他で使えるだけの知能を有する場合と全く使えないのに精神力だけはピカイチなのとでその後の証券会社職員としての未来が決まってきます。

つまり、営業マンとして価値が無くともその他の分野、アナリストやディーラーや専門部などの裏方の業務で花開くパターンは存在するということです。

しかし、そういった専門部は入社の段階である程度ピックアップされており、そこにノミネートされていなければ、そもそも配属の可能性は低く、また、できる営業マンが専門部への配属を希望した場合、立証された実力を評価され、配属が決まることもあることから、やはり最初に与えられた業務で結果をだすことは社会人としても重要なことであり、証券マンとしても同じことです。

 

4年目からまた新たなステージへ

証券営業マンの戦いは入社3年を越えたところからまた新たなステージへ移ります。

4年目でいきなり変わるわけではなく、2年目の後半くらいから徐々に移行していくイメージですが、ステージが完全に変わったのだと確信するのが4年目からといった具合です。

それが、既存客の担当が主な業務になっていき、毎日の成果をよりタイトに求められていく段階です。

新規顧客の開拓と、既存客のフォローは根本的にはあまり大きな差が無いともいえますので、この段階で急激に成績を下げることは少なく、むしろ成果を上げやすい既存客を担当することによって、もっと実力差が出る部分の方が多いのですが、特執すべきは毎日のノルマの方でしょう。

それまでは割とゆったりした時間軸の中で成果を求められてきた新規開拓と違って、日々の経過、もっと言えば午前午後くらいのスパンで成績を求められるようになってくると、かかるプレッシャーは増していきます。

3年目までを何とか乗り切ってきた営業マンですからそれなりの実力があるのですが、次のステージで挫折していくものは案外多く、6年目で大体当初の1割になっていました。

これは、私にとって衝撃的なことで、生き残った同期と飲んではグチっていましたね。

やはり仲間が辞めていくのはさみしいものです。

 

 

離職率の高さは後ろ向きなことばかりが理由ではない

一方で考えないといけない問題があります。

それはステップアップのための離職です。

これを体感で思い出してみると、辞めていった9割の営業マンの内、ステップアップしていったのは、3割程度います。

理由の一番は報酬、次に証券会社の中でもやりたい業務が他にあったパターンです。

意外と多いとお感じになるのではないでしょうか。

証券会社の中にはヘッドハンティングが存在します。

私も2社ですがお誘いを受けたことがあります。

恐らく本部のデータが漏れているか、辞めた社員が提供していたものと考えています。

 

私は愛社精神と言うか、仲間意識が強かったことと、機会に恵まれ社長を含む役員連中に気にってもらって会社での評価が非常に高かったという背景があったので、リスクの方が大きいと判断し、見送りましたが前向きな離職も多いのが業界の特徴とも言えると思います。

 

経験上、証券会社は、ぶら下がろうと思って入社するべき会社ではありません。

のし上がっていくぞとか、自分の価値を報酬にストレートに反映させたいといった強い気持ちで入社するべき業界です。

そして、本当に力があれば驚くような昇進やステップアップはできるところだと思います。

こういった実情を就活生はもちろん、利用者の立場でも理解しておくべきだと思い、今回のテーマとしました。

 

関連記事: