ブラジルへの投資で知っておくべき基礎知識|魅力と見通し
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今回は、ブラジルへ投資する際に知っておきたい基礎知識を中心に魅力と見通しの考え方まで説明していきます。
個人投資家に人気のブラジルですが、基礎的な知識を押さえて、しっかり分析していきましょう。
ブラジルを知ろう
新生銀行のサイトより引用
- 首都 ブラジリア
- 通貨 レアル
- 日本との時差 -12時間
- 人口 1・98億人
- 面積 約850万Km²
- 名目GDP 2.2兆円 世界7位
- 中央年齢値 29歳 世界5位
- 格付け BBB+
中央年齢値は2010年、他は2013年の国連・IMFのデータから数字を出しています。(格付けは2014.5月)
特徴は、大きな国に大きな人口を抱える若い国だということです。
在日ブラジル大使館より引用
人口ピラミッドを見ても、これから経済を支えていく若年層が多く、今後の経済を支えていくと考えられています。
ブラジル経済の特徴と魅力
GDP構成
個人消費が大きな割合を持っているので、外部だけに頼ることなく内需主導で経済成長を目指していけるのが特徴の一つです。
鉱物資源と食料資源が豊富
鉱物だけでなく、食料始原も豊富なことが特徴。
正し、鉄鉱石の値段で株式市場が動揺することもあったりするので、代表的な物は覚えておいた方が良いです。
外貨準備が急速に整ってきている
駐日ブラジル大使館資料より
2006年あたりから急速に外貨準備が進んで、投資に安心感を持てるようになりました。
外貨準備とは、自国の通貨が危機を迎えた時に反対売買を行うための準備金で、主にドル建てにして保有することで、自国通貨安が進んだ時のために準備をします。
実際に使われる機会は、少ないですが、外貨準備が整っていないと、通貨安への対策が取れないために、投資するのにリスクが上がってしまうため、しっかり準備出来てきていることはプラスの材料となります。
労働賃金の伸び
駐日ブラジル大使館資料より
徐々にですが、ブラジルの中間層が増えてきて、生活レベルの向上による経済発展が期待されています。
上の図は、賃金の伸びを示している資料ですが、右肩に少しずつ上がってきています。
個人消費が全体の6割を占めているブラジルは、中間層が増えていく中で、健全な経済発展をしていくのではないかとみられています。
海外投資家からの資金流入
新生銀行HPより
ブラジルへの先進国からの投資は比較的長期間に渡って続いている状況です。
株式投資に比べて債券投資に関わる投資がより積極的で、高い金利を享受しようとする投資家の動きが見て取れます。
ブラジル政策金利推移
新光投信株式会社より
ブラジルの政策金利の推移は、乱高下している面もありますが、非常に高い水準で推移しているのが特徴です。
海外からこの金利を得るためには為替リスクを取る必要がありますが、高い金利を得ることができれば、その分の金利収入が為替リスクを軽減してくれる効果を期待できあるため、魅力の一つになろうかと思います。
ブラジルの特徴と魅力 まとめ
投資先がかなり横に広がっていくような動きがあって、ブラジルは少し旬を過ぎたような感覚を持つもかもしれませんが、国土が大きく、資源があって、個人消費で内需型、経済規模も世界の中心に近付いている状況を考えれば、まだまだ時期によっては有力な投資対象として良く勉強しておくことは、有効なことでしょう。
海外からの資金は水物で、出入りが大きいことがグラフより読み取れますので、実際の行動は慎重にも考えるべきです。
ネガティブな見通し
悪いところにも触れておきましょう。
今まで触れていた魅力については、世界で常識になっていることですので、飛びつくように保有を決めてはいけません。
ネガティブなことを押さえて、正しく判断できるように準備をしましょう。
貿易赤字
G20の2008年から2013年の貿易収支を比較すると、ワースト2位の結果になっています。
5年間の中で、上昇率は150%に及ぶ結果になっています。
鉄鉱石を代表する資源価格の影響を強く受ける輸出入の関係は懸念材料となります。
インフレ
レアル安が進み、貿易赤字が進む中では、輸入品の物価が上がってしまってインフレ懸念が台頭します。
適度なインフレは経済を刺激しますが、コントロールが難しいレベルのインフレは悪影響が大きくなります。
ブラジルのインフレ率は上記の状況です。
2014年10月現在では6.29%であり、直近は上昇傾向にあることがわかります。
ブラジルはインフレの上限を6.5%としていますが、このまま上昇を続けると、ブラジル政府が危機を覚える水準を越えていく可能性があることに注意をしてください。
ルセフ大統領の再選
ブラジルはルセフ大統領が2014年10月26日に再選を果たしました。
長期政権は、政治リスクが少ないと捉えられることもおおいのですが、ルセフ大統領になってから経済が下降してきている面があり、経済改革を謳っていた対抗馬であるアエシオ・ネベス氏に対する期待は大きくありました。
ルセフ大統領再選により、このままブラジル経済がインフレを上手く制御できずに、海外資産が入ってこないという状況になってしまうことを懸念する向きがあります。
基本的に新興国は政治リスクが増す特徴があり、政権が不安定な状態よりは安定した政権があることは良いことですが、経済面のルセフ大統領に対する不満はある程度ブラジル国内に燻っていると考えられており、今後の政策に注目が集まります。
以上、ブラジルの基礎知識を特徴や魅力を中心に見通しの考え方まで説明してきました。
一辺に覚えていくのは難しいので、時々復習をしながら、特徴を覚えていきましょう。
重要なのは、これまでを知って、これからどう変わっていくかという視点です。
少しずつでも見る目を養っていきましょう。
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