ハイイールド債で運用する投資信託の魅力やメリット
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今回は、ハイイールド債で運用する投資信託の魅力やメリットに注目して、どのように投資に生かして利益を取っていくのかについて説明していきたいと思います。
リスクや特徴については、こちらの記事(ハイイールド債とは|デフォルト率やリスクを知って投資信託の運用に繋げよう)に詳しく書いているので、基礎的な知識がない場合は先に読んで下さい。
ハイイールド債で分散投資する効果
ハイイールド債で運用する投資信託の最大の魅力は、少額で幅広い銘柄に分散できるというメリットです。
次の二つを見て下さい。
ラサールグローバルREITファンド運用報告書より
フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド運用報告書より
上の二つは、投信残高トップ5の内、二つをファンド比較のために引用しているものです。
見て頂きたのは、二つの組み入れ銘柄数です。
REITファンドが83銘柄の組み入れを行っているのに対し、ハイイールドファンドは737銘柄と大きな差があります。
これが、ハイイールド債券を投資信託で運用する大きなメリットです。
ハイイールド債で運用を行う多くの投資信託は、組入れ銘柄を大幅に増やす傾向があり、リスクを抑えた運用を可能にしています。
通常、投資信託は、組み入れ銘柄を増やすと管理が大変になり、運用効率も落ちるため、無暗に組み入れ銘柄を増やしません。
分散は大事です。
しかし、ただ広げていけば良いのではなく、厳選することも同じように大事なのですね。
しかし、例に挙げたハイイールド債は737銘柄とケタ違いに組み入れ銘柄を増やしています。
これはなぜでしょうか。
組み入れ銘柄が多い理由
先に読んで下さいと言った記事でも取り上げているハイイールド債のデフォルト率を載せました。
これをもう一度見てみると、ハイイールド債は、毎年必ずどこかがデフォルトしています。
確率で言えば決して高くはないですが、毎年倒産を迎える会社があるのは、紛れもない事実です。
それを意識して投資を行う必要があると判断した結果、ハイイールド債で運用する投資信託は、組入れ銘柄を多くして、より分散効果を高めてリスクを抑えようと努力をしています。
プロでも、どこがデフォルトするリスクが高いのかを完全に把握できないことを謙虚に考えているということです。
とても個人で、2・3銘柄に分散していれば良いといったようなカテゴリーではないことがお分かり頂けるでしょうか。
2013年のハイイールド債のデフォルト率は2.23%(S&P調べ)でした。
単純に全てを同じ組み入れ比率で737銘柄に分散していたと計算すると、このデフォルト率がそのままファンドに影響しても、基準価額の下落は、約0.3%ほどですみます。
上の計算は、あくまでできるだけ単純に計算していますから、そのまま現実にあてはまるかは別の話ですが、その効果のイメージを具体的に持ってもらえるかと思います。
ハイイールド債の運用は高い運用力が必要
ハイイールド債の特徴に、悪いニュースによって一気に債券価値を無くす場合があることが挙げられます。
ハイイールド債に位置づけられた状態では、デフォルトの可能性を織り込みながら取引されるので、リスクが増すようなニュースには敏感に値段が反応します。
保有のハイイールド債に何か悪材料がでれば迅速な対応をしなければならず、情報収集力を含めた運用力が試されます。
さらに、倒産を意識した会社の今後の見通しは、非常に読みにくいという特徴があります。
多くの場合で赤字が続いた企業が倒産回避に用いる手法は、リストラと不採算事業からの撤退です。
どちらも効果を発揮しなければ、企業の総合力が失われる施策と言えますが、施策の発表からその効果を適切に判断することにも運用力が必要になってきます。
ピンチに何も手を打たない企業からは撤退を決める判断が必要でしょう。
それをプロが付きっきりで判断していく投資信託の運用メリットは大きいと言えますし、投資信託で運用することの魅力になります。
以上のようなこと背景に、個人がいくつかの銘柄に分けてハイイールド債で運用をすることはリスクが高いと言え、投資信託で運用する方がメリットの方が多く、魅力のある運用手法であると考えます。
ハイイールド債自体がどのような運用手法を取ろうとも、リスクの高い運用方法だとする考えは、基本的に誤った考えであると思っています。
景気拡大期におけるハイイールド債のパフォーマンスは、非常に優秀ですし、分散の効果をリスク回避の主軸におけるので、投資時期と投資方法次第で有力な投資対象になり得るでしょう。
高利回りが売りですから、興味を持たれる方も多いと思いますが、しっかり知識を付けて検討していくことが大事です。
決して流行等に流された投資判断をしないように気を付けて勉強しましょう。
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