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投資信託の為替ヘッジありコースのメリットとデメリットと比較

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毎月分配型の投資信託に時折用意されている、「為替ヘッジありコース」ですが、どのように考えて選べばいいのか迷ってしまうことはあるでしょうか。

 

メリットとデメリットがよく分からない状態では、大切な資産を振り分けるわけにはいきませんから、今回の記事で投資信託の為替ヘッジありコースのメリットとデメリットについてまとめておこうと思います。

 

為替ヘッジの意味が曖昧な方はこちら


毎月分配の投資信託にある為替ヘッジコースってどんなもの? で先に確認してから読んで頂ければと思います。

 

為替ヘッジありコースのメリット

為替損による損失回避

為替ヘッジをすることで一番大きな効果は、為替損を限定できるところです。

上のリンク記事で詳しく説明していますが、為替予約を活用することで、将来の決済為替レートを固定してしまうので、為替損によって運用失敗となる可能性を大きく減らすことができます。

 

投資手法自体が優位性を持っていると自信がある場合は、為替のブレで損をすることが勿体ないので、為替ヘッジをする方がトータルリターンを安定させられる場合があります。

 

例えば、新興国のある国の成長が頭一つ抜けてくると予測して株式型の投信を持った時に、世界的には横ばいの景気動向だった場合、株式の上昇を為替損が相殺、又は為替損が時期の問題で上回り、損失になってしまうこともありますが、為替ヘッジがついていると、為替損はほとんどなくなるので、株価の上昇等狙った投資対象の値上がりをそのまま利益に繋げやすくなります。

 

取りたいリスクだけを取れる

高利回りの社債オープン等の場合は、期待できる金利収入が高いので、それ以上のリスクを取りたくないという投資家が現れますが、そういった人にも為替リスクが軽減できる部分がメリットになります。

 

為替ヘッジのメリットが魅力的になる投資家の考え方は、為替への不透明感を強く持っていて、投資対象の値上がりや金利等の収益を見込んでいる場合が、相性の良い投資家ということになります。

 

所謂、暴落直後の状態がそれにあたるでしょう。

数年の間に値上がりは期待できるけど、為替リスクまで取ってしまうと、さらなる暴落が怖い…。

そういう時に、為替リスクだけを限定して、その他のリスクを取っていきたいニーズはそれなりに出てきますが、為替ヘッジありコースならそれが可能です。

 

金融政策が与える影響は通常、経済全体へと影響していくので、株価だけ・為替だけといった形で影響していくことは稀です。

しかし、実際には為替だけが乱高下をすることはありますし、株価だけが反応することや、いくつかの国だけが反応することもあります。

 

大きな不透明要因の内、為替を気にしなくて良いのは、大きなメリットになるでしょう。

分散効果

分散の効果というところで為替の影響を減らしている資産を持つことにも意味があります。

日本人の投資家は為替の影響が大きくなる運用になりがちですが、一定の資産を為替の影響を受けない投資先においておくことで分散の効果が期待できます。

 

為替ヘッジを自分で考えながら上手く分散するべきだとする考えもあるのですが、適切な分散を各局面で判断しながら行っていくのは本当に難しいものです。

 

機械的に為替損をほぼ無くした商品を保有することで、安定化を図る意味は大きく、為替ヘッジをプロが行いながら運用している部分を持っていることは、全体的な運用面を総合的に考えた際に、メリットになります。

 

為替ヘッジありコースのデメリット

コスト

為替ヘッジありコースのデメリットの一番は、コストです。

リンク記事で詳しく書いていますが、日本と為替ヘッジする相手国の短期金利差が大きくなるとコストが膨れて運用効果が激減することがあります。

 

為替コストには、短期金利差だけでなく、為替予約相手のマージンも含まれるため、コスト高の状態ではデメリットは大きくなってしまいます。

 

円安の相乗効果を消す

当たり前のことではありますが、運用が為替面でも上手くいった場合でも円安による利益は得ることができません。

為替が有利不利に動くかに関わらず、為替ヘッジをしている投資信託は、為替の影響を抑えているので、デメリットになることもあります。

また、為替が横ばいに動いた場合も、コストだけがかかる状態になるので、運用成果がヘッジをしていないコースに比べ比較的悪くなります。

 円安で多くの投資信託が値上がりしている状況でもコスト面の影響で、為替ヘッジしているファンドは、マイナスになってしまうこともありますので、商品設計をよく理解していないと予想していなかった値動きをしてしまうことになってしまいます。

 

為替ヘッジ効果が目に見えにくい

為替ヘッジに対する効果のほどが、目に見える形で開示されていない面があります。

コストについても、不透明だと感じる投資信託に出会うことも珍しくないでしょう。

全てが、基準価額に含まれて計算されているので、詳しく見ていかないといけない部分は、初心者投資家に少しハードルが高く感じるかもしれません。

 

全て細かくレポートで開示しているものもないわけではないので、ファンドごとの個別に対応を考えていく必要があります。

自分が買いつけを検討する投資信託の為替ヘッジありコースがどのようなレポートを継続的に出しているのかを確認しましょう。

 

実際不透明と言っても、やましい会計処理をしているかもしれないことをここで懸念しているわけではありません。

 

例えば、コストや効果の開示をしていない投資信託を保有しているとします。

その投資信託が、他の投資信託に比べてパフォーマンスが悪かったとしたら、乗り換えを考えたり、売り時を考えることもあろうかと思います。

その時に、為替ヘッジによってどのような影響が投資信託にあったのかを分からないと、判断するための情報不足になります。

また、長期保有を前提に保有をしている場合に、パフォーマンスが悪ければ、その理由を知りたいところですが、為替ヘッジによる影響が明示されなければ、不信感を抱く原因になってしまいます。

 

為替ヘッジありとなしを比較した場合

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私の印象としては、短期金利差の動向に比べて期待金利の高い投資対象には為替ヘッジがあるものを選んでも良いと思っています。

例えば、ハイイールド債で運用するタイプや、リートファンドもそうですね。

 

しかし、やはり時期の問題が大きいでしょう。

景気動向がカギを握ることになりますが、誰にも見通しが完全にはわからないとすると、長期保有を考えて為替の円高局面では、買い増しを行いながら金利等の収入を得ながら、円安を待つ方が有利かなという印象の方が強いです。

 

と言うのも、為替ヘッジありコースが流行ったのは、世界的な低金利化の流れがあったのだと思っているからです。

短期金利差が小さくなって、為替予約にかかるコストが減っている中で、為替が円高に振れた。

そういった環境が成せたのかなというイメージです。

 

通常時の為替ヘッジに関しては、コストがかかって旨味が無いとの説明を証券マン時代は多くしていました。

先程触れたように、時期の問題でそうなっている状況が多かったわけです。

為替ヘッジありコースを勧めたこともありましたが、一時期だけで、同じ時期に為替ヘッジなしコースを選んだ顧客の方が利益が大きかったという事実もあります。

勧めた理由は、どのような取引においても利益が見込める環境(リーマンショック後の横ばい期)があったからです。

どちらかと言うと、チャンスだと思うが為替リスクが怖いといった、リスクに敏感な投資家は向くでしょうが、チャンスを待ってリターンを追求したい投資家は、世界景気拡大期には円安へと振れていく時代なので、為替ヘッジなしを選ぶべきかなと思います。

 

当然、各投資家のニーズがあるので、ここでどちらのコースが有利だとする結論を得るのは、乱暴な考えだと思いますが、安心感を得れば、パフォーマンスは上下共に安定することはよく理解しておくべきでしょう。

その前提でコスト面への配慮を同時に行ってコースの選択をするべきです。

 

 また、世界的な景気拡大期における、日本と外国の金利差は、拡大する傾向があります。

その時の両コースの動きはかなり分かれたパフォーマンスになることが予想されます。

為替ヘッジなしコースでは、金利差拡大によって相対的な競争力が低下した日本円が安くなっていくことで、投資信託の運用は上向いた形で進むでしょう。

方や、為替ヘッジありコースは、金利差拡大で為替へッジにかかるコストが上がり、円安メリットも享受できないことから、大きな損をすることはなくても、期待した運用成果を得ることは難しくなりそうです。

 

今の状況は、アメリカが金利を引き上げる時期を模索している状態なので、今後の見通し的には、為替ヘッジによってリスクを軽減するより、安い基準価額を拾っていくことの方が最終的な利益は大きくなるのかなというイメージを持っています。

(あくまで長期的な意味ですので、直近の相場予想を意味してはいません)

 

見通しについては、意見の分かれるところですし、その精度を上げようとしても限界があります。

そうなると、コースの選択に重要なのが、コスト面になるでしょう。

 

以前為替ヘッジが無意味だったことを考えると、その重要性を気付かせてくれます。

 

運用を始める時も、運用を続ける時も、為替ヘッジコースを選ぶ場合は、コスト面がどのように影響していくかをよく考えるようにするべきです。

 

投資信託には、買い付け手数料の他に信託報酬もかかってきますので、為替ヘッジによってさらなるコスト高になれば、思ったような運用成果を得るのが難しくなる局面もあり得ます。

 

為替ヘッジのありとなしを検討する際は、メリットとデメリットをよく検討してコースの選択をしていきましょう。

 

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