バランス型投資信託の特徴|メリットとデメリット
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バランス型投資信託は、商品設計が複雑に出来ているため、そのメリットとデメリットも初心者の投資家には分かり難くなっています。
初心者投資家が自分で行う分散投資を助ける意味合いもあるカテゴリーなので仕方ない部分もありますが、是非しっかりメリットとデメリットを理解して、自分の納得のいく投資を行ってほしいと思います。
今回は、バランス型投資信託の特徴をメリットとデメリットに分けて説明してきます。
バランス型投資信託のメリット
バランス型の投資信託のメリットから説明していきます。
研究されたポートフォリオで運用可能
バランス型の投資信託の最大の特徴は、一つのファンド内で分散がされて投資ができることです。
各バランス型投資信託は、その資産配分を研究し、如何にリスクを抑えてリターンをあげられるかを考え、商品設計をしています。
その結果、バランス型ファンドは、理屈上はリスクとリターンの比率が素晴らしい投資成果を上げられるように開発されてきていると言えます(原理上)。
バランスを決める際には、過去の値動きを洗い出し、各資産の増減と組み合わせた場合の効率性を勘案し、ぞれぞれの特色を出しながらもリスクを抑えてリターンを伸ばせるように作られているのがバランス型投資信託の特徴です。
あくまで理屈上は、と言うことになりますが、個人では不可能なレベルで分析がされたポートフォリオを簡単に一つの商品で持てるのは大きな特徴です。
リバランス効果
リバランス効果とは、簡単に言えば、一度崩れたバランスを再度元に戻すことを言います。
バランス型ファンドは各種資産クラスに分散して投資をしますが、当初決めた資産配分は運用していく内に値動きによって崩れてきます。
例えば、株は5%上がったが債券が3%下がったといった感じです。
そうなると、最初は研究して最適だと判断したポートフォリオも運用をして内に、どんどん変化をしていくことになります。
これでは、最初だけしか良いバランスの運用ができなくなってしまいますので、ポートフォリオを維持するために、運用状況を見ながら再度バランスを取る必要が出てきますね。
それを実行することを「リバランスする」と言います。
リバランスの効果は大きく3つです。
- 効率が良いとされるポートフォリオを維持できる
- 値上がりした資産を売却し、値下がりした資産を買うことで、安く買って高く売る基本が守れる
- 基本を守ることでリスクが減る
バランス型の投資信託は、各資産のなかでも当然分散されてるのでリバランスが容易ですし、プロが付きっきりで運用に当たりますので、リバランスを忘れることも、躊躇することもありません。
しっかりルールに従って運用してくれるので、リバランス効果は最大限享受できるでしょう。
これもバランス型投資信託の大きな特徴です。
時間的効率
投資をしようとすると、勉強しなければならないことが山ほどあります。
性格にも寄りますが、しっかりとしたことが分からない限り投資をしないと思った場合、かなりの時間を知識を得るために勉強しなければならないでしょう。
数ある勉強しなければならないことの中で、分散投資は非常に難しい分野ですし、様々なテクニックも必要になります。
各種カテゴリーの内容を頭にいれ、そこから個別ファンドに落とし込み、それを組み合わせの中でポートフォリオを考えていく。
思った以上に、最終段階への道のりは遠いと言えます。
バランス型投資信託の場合は、既にパッケージ化されているので、分散したいけどやり方が分からず、知識をつけようとしている段階では重宝する商品と言えます。
ちょっとした経済ショック(かなり小規模)くらいなら分散の効果を実感しながら勉強することができ、時間効率の良さを感じるはずです。
理想を言えばなるべく多くの知識を得てから始めるべきなのは、言うまでもありませんが、経験によって得られる知識も投資には必要な面があります。
下の記事で少額投資のメリットについて説明していますが、分散したいニーズがあり、且つそのやり方に自信が持てない場合、バランス型投信は選択肢に上ってくるでしょう。
運用を実際にしてみないと気付かないことはありますし、机上の空論的な勉強になっては非効率とも取れます。
手軽に、計算されたポートフォリオを体験できるツールとしての価値は一定のレベルでバランス型投資信託にはありそうです。
バランス型投資信託のデメリット
バランス型投資信託には、デメリットも存在します。
悪いところもしっかり把握していきましょう。
信託報酬が二重でかかる
バランス型投資信託は、中身が各投資信託を組み合わせたものが主ですので、信託報酬が二重にかかってくる関係で、運用コストが高くなってしまうことがあります。
組み合わせている投資信託で信託報酬がかかり、さらにパッケージ化している本体で信託報酬がかかってくるのです。
運用コストを抑えることは投資の基本の一つなので、分散を任せることによるコスト増は、バランス型投資信託のデメリットとなります。
いくつかのバランス型ファンドは、しっかり全ての信託報酬を分かり易く販売パンフレットに書いているものもありますが、信託報酬の総合計が分かり難いものも中にはあるので注意が必要でしょう。
集めている投資信託がインデックスファンドであるなら、他の投資信託に比べて異常に高いコストがかかることは稀ですが、信託報酬の総合計には注意をしましょう。
分析の難しさ
運用成績が良いにしろ悪いにしろ、投資信託を保有したなら買い付け後の分析は非常に大事です。
どのファンドも月次報告はしっかりしているので、投資家の多くは最低限大きな値動きがあった時くらいは、その原因をどのようにファンド側が捉えているのかを確認するべきだと思っています。
しかしながら、バランス型ファンドの場合は、その内容が複雑化しているため、詳細まで把握することが難しくなっています。
総評のような形では、まとめてあることが多いのですが、実際に損失を被るような状況になると、どうなると儲けることができるのか想像しにくく、損失に納得できない投資家が多く出ます。
私の経験からこれは感じていたことで、顧客に損失の理由を説明するのには骨が折れました。
投資信託は、保有するとその成績が全てといった感じで持たれる方が多くなりますが、上手くいっている時は特に問題が起きなくても、損失を被った場合はその理由や原因が知りたくなるものです。
パッケージ化されたバランス型ファンドは、その理解が難しいため、保有後も少しづつでもその中身への理解度は高めていくべきだと思っています。
プロの判断でも資産配分を変更できない
バランス型投資信託は、予め資産配分をある程度決めてから運用が開始されます。
その後の状況が大きく変わったとしても、それは基本的に変更ができません。
(大雑把にコースのスイッチングが可能な商品は存在する)
従って、当初は効率的なポートフォリオで運用を開始したとしても未来永劫それが効率的か分からず、たとえ運用に当たっているプロがポートフォリオの効率性を否定する事態になっても、多くのバランス型投資信託は、ルールに従い運用を続けます。
つまり、万能型の分散投資ができることではないということであり、それがデメリットになるということです。
バランス型投資信託の商品設計を見ると、あたかも効率的な運用が続けられるような印象を受けますが、あくまでそれは過去の分析において言えることであり、未来を何ら保証しているわけではありません。
しかも、大きな流れの変化を運用者が感知しても、それがポートフォリオに反映し辛いのは、分散を任せる身としての投資家には大きなデメリットとなるでしょう。
効率性の観点は、なかなか難しい分野ですので、実際に相場に触れていないと分からない部分があります。
そこら辺を上手くやってくれるというわけではないので、過度に関心感をもってしまうことは危険と言えます。
万能型の投資信託ではないことを理解しましょう。
以上、バランス型投資信託の特徴を3つずつのメリットとデメリットに分けて説明しました。
一つ一つは目にしたことがあっても、体系的に理解されていない投資家も多いと思うので、この機会にカテゴリーとして特徴を掴むようにしてください。
バランス型は、人気のカテゴリーではありませんが、何となく素人向きの印象を持たれる方も多いです。
バランスが取れている=安心
となってしまっている方は、やはり注意が必要ですので、今回の記事をよく理解して頂けたらと思います。
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