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集中投資が持て囃されてはいけない|儲けが大きくなるのは損失が大きいということ

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先日テレビで1億円稼いだ、ある投資家の投資手法を紹介していました。

 

これだけ相場が活気付いている状態なので、こういった番組は増えるのかもしれませんが、素人でもできそうな投資手法として紹介されていたので、ちょっと気になって、今回のテーマに「集中投資」を選びました。

 

これから投資を始める、或いは拡大しようと考えている方に読んで頂ければと思います。

 

 

集中投資がなぜ儲かるように見えるか

相場が活気付くと株式トレーダーは必ずメディアの露出が増えます。

人々の関心が集まり易く、スポンサーも付き易いのもありますが、それと同等に大きいのが、実際に儲けを出した人が見つかることです。

 

額が大きい場合も話題になりますし、キャラが立っている場合もやはり話題になります。

 

その中でよく出てくる投資手法に、集中投資があります。

「一極集中で投資を行うとこんなに儲かります」

儲かった人は声高に言いますが、これは多くの投資家の中から見つけてきた成功例で

あり、その人の投資手法に優位性があるのかどうかはまた別の話になってきます。

 

その理由は、集中投資特有の「ハマったら大きい」という特徴が作用しているからです。

 

相場では必ず、銘柄毎や投資対象ごとにパフォーマンスに凸凹が出てきます。

トレンドが多くのカテゴリーで同方向に動くことは昨今で増えてきていますが、個別銘柄に開きがでるのは、相場の構造上不可避です。

 

そうなると、結果として集中投資したことで大きな投資成果を得る投資家が出てきます。

 

開きのある個別銘柄の中で、出っ張った銘柄に集中投資をしている投資家はいますので、そういう人を取り上げれば、上昇相場を象徴できるわけですね。

 

その人になぜ儲かるのかを聞けば、「良い銘柄に全力で投資をしたからです」と答えることになります。

 

私が見たテレビ番組でもやはり取り上げられた人は、集中投資の優位性について話をしていました。

 

多くの人がそれをそのまま受け取って、「良い銘柄を見つけて集中投資をするべきのか」とはならないとは思いますが、投資へのアプローチを間違える人は出てくるかなと思いました。

 

リターンが大きい手法は当然リスクが大きくなるという公式

トレーダーは、如何にリスクとリターンのバランスを取りながら優位性を確保するかが大事ですが、研究すればするほどその難しさに気付きます。

 

しかし一方で、株式が儲かると聞いて参入してきた人は、簡単にリターンを求めすぎる傾向があるように思います。

 

集中投資に走る人も多く出てきます。

 

最初から高額で夢を見るほど無謀に突っ込む人はいなくても、少し上手くいくことで自信を深め、段々高額になっていくことは起こりがちです。

 

そんな人はその内、相場がひと段落したところで全ての利益を吐き出し、損失を被るのがオチとなるでしょう。

 

やはり、リターンとリスクは同じだけの振れ幅があり、集中投資で大きなリターンを狙えば、どうしても大きな損失に繋がるトレードに行き着くはずです。

 

それは、集中投資のせいと言うよりは、その人のトレードシステムの稚拙さが問題だと思われます。

 

要は、銘柄選びという集中投資で一番大切なことが弱い可能性が高いのです。

 

集中投資の肝は当然、集中して投資をする「先」です。

 

それに失敗すれば、損失をカバーできるものがないために大きな損失を被るわけですので、素人がやろうとするのは本来とても難しいもの。

 

それを相場環境が支えたりするので、構造は意外と複雑ですが、いずれは投資手法の持っている力に収支が落ち着くものと思います。

 

魚の釣り方を覚える

よく言われることですが、株式の話も同じように、儲けを出すシステムを作るには魚の釣り方を覚えるべきであり、魚を貰っても食べたら終わりです。

 

今後も今の相場環境が続けばどんどんテレビなどでも取り上げられるトレーダーが出てきますが、この方法なら自分も勝てると考えるのはとても危険な発想であり、おすすめできません。

 

どのような考え方をしているのかを学ぶべきで、自身の性格なども考慮する必要があるでしょう。

 

どんな方法でトレードしようとも、自分のスタイルにカスタマイズする必要があると思っています。

 

それほど株のトレードはメンタルの影響を強く受けるものであり、それが完全コピーすることを阻むはずです。

 

相場とメディアに踊らされることはないように気を付けて欲しいと思っています。

 

 

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