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投資における目的と目標の必要性|何を軸にするかで投資方法が変わる

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投資を行う際は、どんな目的を持って投資方法や投資対象を選んでいますか?

「儲かりたい」、「ちょっとでも多くお金を増やしたい」ではなかなか投資が上手くいきませんから、目的や目標を明確にする必要があります。

 

今回は、投資における目的と目標の必要性について説明します。

何を軸にするかで投資方法が変わるので、しっかり考えてみて下さい。

 

 投資における時間の概念

投資以外もそうなのですが、「お金」は時間を無視して考えていけません。

銀行金利や債券然り、先物でも期日があったり、オプションでも時間の概念は非常に大事なものですね。

 

年間で10万円の利益を出すことと、10年間で10万円の利益を出すことは、投資において全く意味が変わってきます。

 

お金に纏わる話は、全て「時間」の概念を非常に大切にしています。

友人に借金を頼まれれば、気にすることの始めに元本の回収が可能かどうかですが、次に気にするのは「いつ返済してくれるのか」です。

たとえ1万円でも5年待ってくれと言われれば、借金を断る人も出てくるでしょうし、明日返すと言われれば、信用している人になら特に何も思わず貸す人が多いのではないでしょうか。

 

このように、実は私達はお金について「時間の概念」を持って接しています。

これは時間が経つことで不確実性が増すことも関係しているのですが、今あるお金と将来受け取るであろうお金は同列に置けないことが関係していることも理解しておくべきです。

 

従って、投資を行う際も、時間の概念を大切に考えないといけません。

いつまでに、又はどの期間で、投資を考えるのかをはっきりさせて、効率性も考慮した投資を行う必要があります。

 

しかし、投資における目的と目標によって正しい時間の概念は大きく変わってくるので、前提をはっきりさせなくてはいけません。

 

一体何を目的にするのか

私は、このブログで何度か長期投資の有効性にふれてきました。

これらは、投資初心者を対象に書いたものであり、時間軸もそのように設定しています。

つまり、投資をしなかった場合に比べて少しでもお金を増やすことを目的にしており、そのために用意する時間には拘っていないと言うことです。

 

投資は時間の概念を大事にしないといけないのだと言ったばかりで、完全に矛盾しているように感じると思いますが、私は時間よりも重視するべきは目的や目標だと思っているので矛盾を感じさせてしまっています。

ある意味わざと矛盾させているのです。

 

この考え方は、リスクとリターンにもそのまま当てはまります。

短期間で大きなリターンを目指せば許容するリスクも高まりますし、期間を延ばせばリスクを減らすことも可能になります。

1年で2倍にしたいなら高リスクを取る必要がありますが、10年で2倍にしたいなら低リスクでも達成可能なのは想像に難くないでしょう。

 

このように、時間を大切にしないといけない一方で、前提になるのは投資の目的と目標設定です。

どう考えて投資を始めるのか、何がしたくて投資を始めるのかを、投資する前に考えるのは必須事項です。

 

前提がブレてしまうと、投資は上手くいきません。

何度も行き当たりばったりで判断していては利益を残せないと伝えていますが、何をしたいのかが最も重要で、そこから方法を考えないと、思わぬリスクを取ってしまったり、満足できる投資をするのが困難になり、満足感の無い投資は収支を確実に悪化させます。

そのくらい人間の中にある欲望は馬鹿にできないものであり、投資において影響を強くするので注意が必要です。

 

では、なぜ時間の概念をもちだしたのでしょうか。

 

焦らず育てるのか、寝かせることが悪なのか

 投資する上での目的と目標によって見出しに対する考え方は大きく変わります。

銀行金利よりも運用成果で少しでもお金を増やしたいという人は、焦らずに育てる方向で考え、寝かせることは悪になりませんし、余裕資金で大きな利益を狙うのであれば育てる考え方の方が間違いとなり、寝かせることは完全な悪となります。

 

目的や目標に合致していない投資方法は、いつか破綻していきます。

銀行金利に勝ちたい人が短期投資をしてみたところで許容リスクを越えますから、損失状態に陥った時におかしな行動を取りますし、大幅な利益を狙っている人が塩漬け株を放置したならば新たな資金でまた塩漬け株を仕込むような行動を取ってしまうことが増えます。

 

儲けたい幅が小さいなら、時間効率の優先順位を思い切って下げてみましょう。

外国債券などでじっくり高金利を取りながら円安を待つ投資方法などが合っているはずです。

大きなリターンを狙うなら、新興国ファンドや個別株の勉強をしたりして、短期取引にも参入するべきかなと思います。

その場合、損失はしっかり限定することが大事ですし、高リターンを狙っているのだからこそリスクが高くなっていることを自覚するとともに、目的を達成するためには時間効率にも気を使う必要があります。

動かなくなった株を持ち続けてはいけませんし、塩漬けすればカットするまでその資金が死んでしまうので目的に合致した資産運用になっていないと言えます。

 

投資初心者が失敗するパターンに、この目的と手段の相性の悪さがよく指摘されます。

ちょっと儲けたいのに個別株の新興市場銘柄に手を出して大きな損失を出すことは多いです。

買った銘柄が下がった時には、初心者ほど「俺はちょっと儲ければいいから、寝かせておこう」と考えますが、往々にしてそんな銘柄は下がり続けたりしますよね。

 

また、大幅な利益を目的に投資をするなら、時間効率の概念を念頭に置くくらいが丁度いいです。

大きなリターンのために大きなリスクを取っている場合が多いですから、どうしてもロスカットの重要性が増しますし、先程述べたように追加資金をどんどん入れてしまう人が増えます。

目的や目標を高く掲げる人は、ちょっとの利益に満足できないため、時間の問題で投資全般が荒くなっていく傾向があり、損大利小になり易いのです。

大きく増やすために資金を増やすと、冷静さを失った時の損失額が自分の許容するリスク量を越えますので、資金は身の丈に合った額だけ証券会社に入れておくのがリスク回避になりますし、入れてある資産を効率的に動かすことで目的の達成は可能ですから安易な投資は控えて、しっかり短期売買の勉強をするべきでしょう。

 

まとめ

今回は投資における目的と目標の必要性を説明しました。

何を軸にするかで投資方法が変わる理由が分かったでしょうか。

 

投資は考え方を事前に煮詰めておいた方が、実際に損失を被った時に納得いく行動が取れます。

それはつまり、考え方がしっかりしていないと時間の問題で損失を被ることも意味していて、目的を明確にする重要性に気付かれると思います。

何かある度にロジックよりも気分や感情に左右される投資を行っては損するのが目に見えているので、気を付けてほしいなと思います。