元証券営業マンの本音で語りたいこと

元証券マンとして証券営業の実情から投資信託や株式のことなども本音で語っていくブログです。

ハイイールド債ファンドは売り時ではない|景気拡大時にはリスク許容度が上がる

 スポンサードリンク

f:id:Brightfuture:20150220154913j:plain

先日のエントリーについてちょっと今回は補足説明しようと思います。

このエントリーを読んで頂くと、ハイイールド債ファンドの為替ヘッジありコースが売り時ではないかと私が考える理由が分かると思います。

 

しかし、一方で為替ヘッジなしコースについても売り時ではないかとの疑念を持たれる方が出てくるのではないかと思い、今回のエントリーに至ります。

 

今回は、景気拡大時におけるハイイールド債の動きについて説明しながら、現時点ではハイイールド債ファンドは売り時ではないと考える理由について説明します。

 

儲かった投資家が考えること

皆さんは投資で儲かった時、どんなことを考えますか?

「泡銭が出来たからおいしいものを食べに行こう」とか、「欲しかったアレを買うぞ」とか、結構無駄使いすることもありますよね。

もう一つの側面は、更なる儲けの獲得意欲が増すことも挙げられます。

「こんなに良い相場が来ているんだからもっと儲けたい」

こんなことも思うのではないでしょうか。

 

儲かった投資家は、基本的に「もっと儲けたい」と思って、既に儲かった利益を担保にして更なるリスクを取りに行くのが一般的です。

バブルに発展していく過程には色々な要素が絡みますが、これも一因ですね。

羽振りが良くなることと似ていますが、長期的に良い相場が続くと、取り逃してしまう利益がリスクのようにも感じます。

 

これを今回のテーマである「ハイイールド債」に当てはめて考えてみます。

ハイイールド債の最大の特徴は、「信用力が低い代わりに利回りが高い」ことでしたね。

信用力が低い企業と高い企業の利回りが一緒なら、誰でも信用力の高い企業の債券を買いたいです。

ハイイールド債は信用力が低い代わりに良い利回り条件で投資資金を集めようとする企業側の考えも頷ける理屈ですし、投資家が上乗せ金利を実質的に要求するような価格形成をするのも頷けます。

リターンに見合ったリスクを取るのが投資家と言う人達です。

 

今の相場のように、何もかもが上がっていくような環境では、リスク許容度が増していきます。

儲けているから安心できるんですね。

逆に損している時に人は慎重になります。

「もう損するわけにいかないから、投資先を厳選しよう」

との思惑です。

 

ハイイールド債は、信用力が低い代わりに利回りを追求できる商品ですから、債券の中ではリスクが高めです。

買う人の心理としては、「もっと高い利回りのものが欲しい」と思って買うことが想定されますので、通常の債券とは違った動きをすることがセオリーとされています。

もう少し詳しく説明しましょう。

 

契機拡大時におけるハイイールド債

先程から説明している通り、ハイイールド債を買うには信用力の低さを許容しないといけませんから現実的なデフォルトリスクを負います。

信用力が低い=倒産の確率が高い

ということになりますので、国債などの格付けの高い債券にある安心感は損なわれているジャンルです。

だからこそ、投資信託の形で少ない資金でも多くのハイイールド債に分散して、デフォルトリスクを軽減することが大事なわけですね。

ちなみにハイイールド債がデフォルトする確率については下の記事で触れています。

 

f:id:Brightfuture:20150220124300p:plain

 リンク記事よりグラフ部分を引用しました。

詳しくは元記事を参照して頂けると良いと思いますが、グラフを見ると、その時々によって倒産確率がかなり違っていることに気付くと思います。

1%未満の時があれば、10%以上の年もありますね。

 

これを見て、皆さんはどんな時にハイイールド債ファンドを買いますか?

恐らく、多くの人が1~3%くらいで倒産確率が落ち着いている時ではないでしょうか?

流石に利回りの良い投資商品だとしても10%潰れている時は、怖いと感じるでしょうし、分散効果に期待して投資をする人は少ない時期でしょう。

 

では、ハイイールド債を皆が買いたいと思う時期とはどんな景気状態かと言えば、当然ながら「景気成長期」「景気拡大期」ということになります。

 格付けの高い債券とは違って、ハイイールド債は景気が冷え込んだ時に弱いです。

株を売却してリスクを抑えた投資をする時に債券が受け皿となりますが、ハイイールド債では受け皿とはなれず、格付けの高い債券へと資金が流れるため、通常の債券とは違った動きになるわけですね。

 

従って、ハイイールド債が強くなる、又は人気になるのは景気拡大期ということになります。

契機が拡大する局面では格付けの上方修正も増えますから、全体的にデフォルトリスクが軽減していくので、ハイイールド債は強さを増すことになるのです。

同じ債券でも、これだけ違いがあることをよく理解しましょう。

 

今後の見通し

この記事のきっかけとなったエントリー(投資信託の為替ヘッジありコースとなしコースのパフォーマンス差|売り時か?純資産残高の動きにも違いが)でも述べている通り、これからの見通しは相場全体として、良い方向へと経済が進むことを前提に価格形成が進んでいるからこそ、世界的な上昇相場がきています。

アメリカは時期の問題で利上げ局面を迎えるのではないかとの見方が大半です。

 

従って、ハイイールド債ファンドに取って良い相場状況が続くだろうと、私は見ています。

比較的リスクを嫌う投資家層の資金は、許容できる範囲でリスクを取る方向へと流れていくと思っているので、ハイイールド債ファンドは強さを増すと見ています。

 

契機拡大時には、色々な商品へ投資をしていた各投資家層が順々に利益を取っていくので、格付けの低い商品にもお金が流れますし、ハイイールド債発行体が経営基盤を強固にしていくので、良好な状況が続くのではないでしょうか。

 

あくまで現在の見通しがあっていることを前提としていますが、セオリーとしてはこんな考え方をするべきだと思っているので、皆さんも商品の特性を色々調べてみると良いと思います。

 

まとめ

今回は「ハイイールド債ファンドは売り時ではない」というテーマで景気拡大期におけるリスクの取り方などを説明しました。

一般的な債券とハイイールド債の違いを理解できたでしょうか。

 

リンク記事は一部内容がかなり似ていますので、知識が不足していると感じる方のみ読んでください。

一緒に読むと理解が深まると思います。

見通しは私個人の見方ですので、投資判断はご自身で色々な資料を検証しながら行ってください。

 

関連記事:

 

 

ランキングはこちら

      にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ

金融・投資 ブログランキングへ  にほんブログ村