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毎月分配型投資信託は、権利付き最終日によく売れるの?

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証券界は直接金融なので、売れるというとおかしいのですが、敢えて「毎月分配型投資信託は、分配金の権利付き最終日によく売れるのか」という題名にしてみました。

 

他の投資家の動向も気になるでしょうし、窓口で毎月分配型の投資信託を買う顧客が権利付き最終日と権利落ち日をどのように考えているのかを説明していきましょう。

 

毎月分配型投資信託の分配金権利付き最終日と権利落ち日がよく分からない方はしたの記事で確認できます。

 

 

窓口の証券営業マンと顧客の潜在ニーズ

顧客に対し営業活動を行う証券マンは、顧客の潜在ニーズを引き出すことが一番重要です。

いくら良い提案をしても、今投資をしたくないと思っている投資家に新規資金で投資信託を買ってもらうことはできません。

 

では、顧客の潜在ニーズとはどんなものでしょうか。

下の記事で、なぜ毎月分配型の投資信託が人気になったかを説明しています。

ワードの問題で、初心者投資家と言っていますが、玄人だろうとセミプロだろうと結局日本人投資家に取って毎月分配型の投資信託は人気です。

 

その証拠に現在の投資信託純資産総額のランキングは、毎月分配型の投資信託で埋め尽くされています。

 

考え方によっては、卵が先か鶏が先かという論争も起こり得る状態ですが、とにかく日本の投資信託は、分配タイプがよく売れているのは確かです。

 

私の証券マンとしての経験からもそれは非常に強く感じるところです。

顧客からの要望の多くは、毎月分配金が貰えるものが良いとの意見でした。

 

なので、毎月分配タイプから、無分配成長タイプのファンドへ乗り換えてもらうことは一苦労する感じになります。

 

話しが少し外れましたが、顧客の潜在ニーズには、銀行金利に変わるものが欲しいという欲求があり、それが分配金だということが言えます。

 

そうなると必然的に顧客への提案は、毎月分配型の投資信託へと偏っていきます。

特に新規資金での提案ならなおさらです。

 

買い付けに迷ったらどうしますか?

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毎月分配型の投資信託を提案され、なかなか魅力的な商品だと思った場合、買い付けを検討することになりますが、皆さんならどんな時に決断をするでしょうか。

 

私の経験では、それが「分配金の権利付き最終日までに」ということでした。

営業マンがそう仕向けることも大きくて、迷う顧客には

「〇日までにお返事が頂ければ、今月から分配金が貰えますので、検討してみて下さい」

と話を振るわけですね。

 

何かに迷ったら、決断するのに理由が入ります。

背中を押す物が必要になるわけですね。

それが権利付き最終日になることは、非常に多くありました。

 

従って、何か毎月分配型の投資信託を提案するなら権利付き最終日を目安に買い付け提案を行うことになります。

 

そろそろ題名の答えに移っていきましょう。

 

毎月分配型投資信託は、権利付き最終日前がよく売れて権利落ち日から一回下火になる

あくまで窓口で、証券マンの提案を聞いて買う顧客の私の体感ですので、統計ではありません。

ただ、新規資金で買われる顧客の多くは、その月から分配金を貰えるように買うケースは非常に多く、体感上ではあるのですが、明らかな傾向と言えるほどの差はありました。

 

迷っていて、権利付き最終日に間に合わないと、よく言われたのが

「来月の決算まで時間があるからまた検討してみますね」とのお返事です。

「いやいやそうじゃないでしょ」と言いたい気持ちを抑えて、その話はまた時間が経って再度アタックしていくことになります。

 

権利付き最終日によく売れる理由は二つですね。

  • その月からお目当ての分配金が貰える
  • 分配金の権利が投資判断の背中を押す

本当によく説明しないと、分配金の概念を完全に理解している投資家は、窓口に少ないのが現状です。

 

よく勉強されている方もいないわけではありませんが、細かいことには疎い感じです。

分配金の有無が一定の日に決まることを理解すると、その日が一つの分岐点になり、その日までに決断をしなければ、買い付けは無いかなというイメージで提案をしていました。

実際にそうなることが多かったからです。

 

決断力が弱いことで、毎月分配型の投資信託を買い付けるのがなかなかできないという初心者の方は、決断の理由として、分配金の権利付き最終日を意識して検討してみるのも一つでしょう。

 

下の記事で私なりの見解を書いていますが、権利付き最終日までに買うことのメリットの初心者の方ほど大きいと思っています。

 

周りの人が買っているから自分も買うという行動自体は、あまり投資向きの考え方ではありません。

しかし、不慣れなものに新規で参入するには、背中を押してくれるものがないと難しいという側面がありますから、その人の状況次第である部分も否定できないところです。

 

始めは、分配金ありきで投資を始めた人も、保有を続ける中で勉強をして、自分なりの投資判断ができるようになっていきます。

 

まずは少額から投資信託を始めてみるのも良いかもしれません。

少額投資のメリットを書いている記事を載せておくので、参考にしてください、