元証券営業マンの本音で語りたいこと

元証券マンとして証券営業の実情から投資信託や株式のことなども本音で語っていくブログです。

証券マンの仕事観|ノルマのない仕事なんて楽に決まっていると思っていたという恥ずかしい話と共に

 スポンサードリンク

f:id:Brightfuture:20150330223714j:plain

自分が辛い時って、どうしても視野が狭くなりますよね。

私が証券マンだった頃は、やっぱり心が荒んでしまって、「ノルマのない仕事なんて楽でいいなぁ」と毎日のように思っていました。

恥ずかしいお話です。

 

こうやって仕事を変えて日々を送っていると、仕事には色々な悩みがあって、大変さがあって、誰もが現在いるステージでもがいているのにも気付かされますが、そこまでの余裕が無かった状態で毎日を送っていたので、そんなことを考えてしまっていました。

 

今回は、証券マンの仕事観について周りの元同僚の話も踏まえながらまとめてみたいと思います。

 

高い年収は対価!多いとは思っていなかった

証券マンの年収はどこに属していたとしてもある程度高いです。

相場でボーナスの変動が大きいので何とも表現し辛いのですが、現在の相場環境でなら、3年目くらいの若手でも100万を超えたようです。(元同僚より)

 

結構すごいことですよね。

まだ3年目でも3ケタに届くのは夢があるように感じるのではないでしょうか。

 

しかし、証券マンとして一線で戦っていると、これでも少ないって思ってしまっていました。

「お金は底なしに欲しがるもの」という意味よりも、「対価をもらっていない」という感覚です。

ボーナスの直後に飲みにいくと、貰えた金額でできることを考えれば笑顔で話をしますが、「でもさ、少なくね?」って話になることの方が多かったです。

 

経済にはスペシャリストでなければならないのが証券マンですから、サラリーマンの平均年収とか、貯蓄額とかのデータは頭にあります。

いわゆる世間一般と比べると言っていることはおかしいのかもしれませんが、それだけの仕事をしていると思っている人が多かったように振り返ります。

野心家が多いのは特徴でしょう。

 

こんなことを書いている私も「もっともらえないとおかしい」と主張していた人の一人です。

まぁ、「自分のサラリーに納得する人っているのか」って話もありますがね。

 

お付き合いするお客さんのレベルもそれに影響しているかもしれません。

医師や弁護士をやっている人や中小企業の社長や会長、上場企業の役員などなど高収入の人と接していると、どうしても自分が高いレベルの収入をもらっている感覚にはなりません。

そういった方々は「もっと上を目指せ」って話をしますしね。

能力的にも負けていないと思えば、意識は高くなりがちなのかなと思います。

 

ノルマのない仕事への「偏見」

私が証券マンだった時、ノルマの無い仕事への憧れをものすごく強く持っていました。

 毎朝、起きた瞬間にニューヨーク市場を確認して、自分の予定が予想通り着地するかを考えながらシャワーを浴びて、もしダメなら手持ちの案件と相談して予定を組み直して出社します。

前日、上司に次の日の予定を報告していますので、ニューヨーク市場が下がっていると、「どうするの?」って課長会議の前に軽く詰められます。

まぁ、この段階では反論できる予定を立てておけば問題ないのですが、もし「考えます」なんて言った日には朝一から本格的に詰められることも。

月の後半だと許されない感じですね。

段取り8割と言われる世界なので、やらないといけない日に予定すら流暢に話せないと終わっています。

 

そんな予定すらなかなか言えない日などは、足取りが重いと言うか、「ノルマが無ければこんな憂鬱に会社に出社することもないのだろうなぁ」と思っていました。

朝起きた瞬間に寝ぼけながらNY市場を確認するのも「どんだけ追い込まれてんの?」って自問自答です。

夜中に気になってしまって起きることもあったので、月の後半、特に月末で数字を合わせに行っている時は、張りつめていましたね。

 

今では流石に仕事に対する考えは大きく変わりました。

ノルマがあるのはしんどいのですが、誰でも何かに悩むものですし、証券マンはできている時に楽できたり、相場の環境が良い時も結構楽しく仕事をできるメリットがありました。

サボリまくっている時期とかも、思い出すとありましたし。

 

ただ、当時は「ノルマの無い仕事だったら、毎朝笑顔で出社できるのに」みたいなことばかり考えていました。

怒られるのが確定的に案件がない時なんかは、「こんな思いをするのは自分だけだろうな」とも思っていたので、恥ずかしい話です。

 

数字へのプライドが高い

若手と話をした時、残る証券マンになるか、辞める証券マンになるかを見極めるのは結構簡単な作業です。

ノルマに対する文句とかを言っても全然かまわないのですが、自分の数字にプライドを持っているかどうかを見れば、残る証券マンになるかどうかは大凡の所で分かります。

数字に対するプライドを持っていないと続かないんですね。

 

5年以上証券マンやっている人は、総じて自分の数字へのプライドを持っているという特徴がありました。

詰められるのもしんどいですが、それを「悔しい」と感じることができないと、追いつめられる一方で力を失いますから、仕事のパフォーマンスが上がっていきません。

この場合は典型的に辞めていくパターンに入ってしまいます。

 

お客さんに損をさせることもある証券マンという職業は、仕事のパフォーマンスを安定させるのが非常に難しいんです。

恋愛で言えば、浮気しながら付き合っていくような感触でしょうか。

お客さん本位の仕事ができない時に実質的に「裏切る行為」をしないといけないのが仕事を難しくしているんです。

 

だからこそ、数字のプライドをもっていないと潰れていくんですね。

私が証券マンを辞めた理由についてはまたまとめてみたいと思っているのですが、この部分が大いに関係しています。

 

相場が悪くて同僚でグチりあうこともありますが、数字に対するプライドを感じる言葉が並ぶのも特徴と言えます。

 

本部の仕事をして連携の難しさを知る

私は若手を統括して指導役をやった経験があります。

こちらの記事で少し触れていますが、私は本部に入って教育する立場を経験しています。

この時は色々学ぶことも多くて大変でしたが、ノルマが無い仕事だったので追い込まれない分、やはり楽さは感じていました。

仕事の種類が完全に変わったという感じです。

 

そんな中ではありましたが、最も苦労したのは「他人と一緒に仕事をすることの難しさ」です。

営業の仕事では仕事を協力することがないわけではないですが、かなり基本的な連携のみです。

プロジェクトを共同で行うようなことはないですし、基本的に自分の仕事はそのまま数字となって分かり易くフィードバックされます。

本部経験で一番戸惑ったのは他人との連携であり、評価のされ方でした。

 

営業マン同士で集まって若手の教育システムを作っていくので、研修プログラムを作るのにも、普段の関わり方とかを話し合っても、連携面で課題がありました。

評価を気にする人が多かったので、誰の成果物とするのかでも揉めやすかったのが難しかった点ですね。

 

普段は人と仕事していく機会が少なく、評価も分かり易い中で仕事をしているので、そこは全般的に弱いのかもしれません。

特に「評価」が分かり易く、給与にストレートに影響することがここまで価値の高いものとは、この経験をするまで分かりませんでした。

分かっているつもりでしたが、足りなかった感じです。

 

まとめ

今回は、証券マンの仕事観ということでいくつかの視点から考えてみました。

分かり易い評価体系の中で高収入を得ることができる点で、野心家は多い印象がありますね。

草食系男子は少ないです。

 

結構エグイことをやりますしね。

それをどのように処理していくかが課題でしょうか。

 

毎日、「今日どうしよう」「明日どうしよう」の生活を送り続けるのがしんどいですが、上手く仕事を回していける個人的状況や相場の状況があれば、案外楽もできる一方で、追い込まれればかなりヤバくなるのは宿命です。

ノルマが無い仕事への憧れを強く持っていた私ですが、仕事を変えて色々と学びました。

視野が狭くなってしまう原因を仕事だけに限定するのは違いますから、もっとこれからも成長していきたいですね。

 

関連記事: