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投資信託では信託報酬を侮ってはいけない|買い付け手数料と信託報酬の違い

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投資信託で皆さんが気を付けているコストの代表的なものに買い付け手数料がありますが、信託報酬にきちんと着目されていますか?

 

投資信託の買い付け手数料は、目に見える形で非常に分かり易く発生する投資信託のコストですので、気を使わずに買い付けに至るケースは減ってきているのですが、その他のコストには少し曖昧さが残っているように感じています。

 

今回は、投資信託のコストとして有名な買い付け手数料と信託報酬の違いについて、なぜ信託報酬を気にしないといけないのか、又どんな時に信託報酬で差がでるのか等を説明していきます。

 

信託報酬とは

信託報酬とは、投資信託の運用にかかるコストとして目に見え辛い(開示をしていないわけではありません)形で、基準価額の計算時に毎日差し引かれているものです。

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  新光 US-REIT オープン 月次報告書より

 

少し見づらいかもしれませんが、純資産ランキングトップ5に入っている新光US-REITオープンの月次報告書より、信託報酬が載っている部分を引用しました。

こちらのファンドでは、年率1.6524%の信託報酬がかかることを表しています。

 

それが実際にどのようにファンドに影響を与えるか示したのが次の表です。

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  新光 US-REIT オープン 月次報告書より

 

同じ投資信託で、実際にどのくらいの信託報酬が基準価額に影響しているのかを確認してください。

毎日かかる手数料として、侮ってはいけないことが分かると思います。

今回例に挙げた新光US-REITオープンでは、この期間に毎月6円程の信託報酬等のコストで基準価額から差し引かれています。

 

この期間の基準価額の平均値は、約4402円ですので、手数料率としてもイメージと現実を比べておくと良いでしょう。

 

信託報酬の内訳は、運用会社だけでなく販売している会社や信託銀行にも支払われ、その投資信託に関わる機関が受け取れるという面があります。

 

ノーロード投信の仕組みがここにあるわけですが、その点についてはまた記事を改めて説明します。

 

信託報酬の考え方は、基本的な部分では、そのファンドの運用にかかる費用を年換算で、定められた一定の年率で毎日計算され、基準価額から差し引かれるものと考えて下さい。

 

よって、ファンドマネージャーの報酬や、信託銀行が絡む部分の費用など、一般には少し馴染のないコストもここでペイされており、投資信託は成り立っています。

 

いつ投資信託を買ったらコストが安くなるのか気になったりする場合もありますが、信託報酬等の面では、いつ投資信託を買い付けてもコスト面の有利不利はほとんどありません。

 

毎日計算されていますので、保有している人がその保有口数に対して、同じ手数料率で負担するように制度化されています。

 

敢えて細かい話をすれば、土日や祝祭日の期間はマーケットが動いていないにも関わらず(債券で運用する投資信託ならこの期間に金利は発生しています)、信託報酬が発生しています。

従って、金曜日に値段の決まる買い方(外国の株式で運用するタイプなら水曜日申込み)は信託報酬等の年換算タイプの手数料が勿体ないという面は完全には否定できませんが、極僅かと表現するべきであり、それよりも値段の上下の方が大きいため、タイミングを重視した方が良いでしょう。

 

信託報酬を気にするべきは、長期的視野で見た場合であることを念頭に置くべきです。

 

 

買い付け手数料と信託報酬の決定的な違い

大それた見出しをつけましたが、買い付け手数料と信託報酬の決定的な違いは、一時的なものか、永続的なものかの差です。

 

つまり、買い付け手数料は買い付けたその時だけにかかるものであり、信託報酬はファンドを保有している間ずっとかかっていく手数料という点に大きな差があります。

 

イメージのために極単純な計算の例を挙げます。

買い付け手数料2%、信託報酬1.0%で5年持った時の手数料合計率(基準価額の変動はなしで単純計算)は、7%ですね。

一方、買い付け手数料0%、信託報酬1.5%で同じ条件で計算すると、7.5%となり、買い付け手数料が0%でも合計したコストは信託報酬が高いファンドの方が上回ってしまいます。

 

継続的にかかっていく信託報酬の与える影響が、決して小さくはない理由がここにあります。

 

コスト面を気にされる投資家は、じっくり中身を見ているとは思いますが、どの投資家も信託報酬等の、実際には直接支払わない手数料に関しても敏感にならないといけないでしょう。

 

この話しに付随して、上の表で合計の信託報酬等でかかっているコストをもう一度見てみて下さい。

 

設定来でこのファンドでは、1218円の信託報酬等で差し引かれたコストが発生しています。

基準価額が4000円台ですから、大きいですね。

このファンドの設定は、2004年9月29日ですので、約10年間程でこの程度のコストが発生しているわけです。

長期投資なら10年くらいの運用はあり得る期間ですので、気にしないといけないなとは思うところでしょう。

 

正し、付け加えたいのが、このファンドの例は信託報酬等のコストが高いものを紹介したくて挙げているわけではないことです。

 

純資産の大きいものを選ぶことで、保有している人や興味を持っている人が多いものを例に挙げることができ、イメージをし易いと思って例にしています。

 

この記事を読んで新光US-REITオープンのコストが高いかどうかという判断をすることは控えて下さい。

 

比較対象としていくつかのファンドを挙げない限り、少し乱暴な判断になってしまいます。

 

 

コストの問題は、敏感過ぎてもいけないし、鈍感すぎてもいけない微妙なものです。

運用の成果に直結するものの、それより影響が大きいのは、投資対象の値動きになります。

 

しかし、良い投資信託を選ぼうと努力をされるなら、必ず理解しておかなければならないことの一つに信託報酬は挙げられるでしょう。

 

ノーロード投信が増えてきた今だからこそ、間接的に支払うコストにも気を払って良い投資信託選びに繋げていきたいところです。

 

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