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株のトレードでロットアップをする時はこれが問題になる

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株のトレードをする時、小さいロットから始めて徐々にロットアップをしていこうとすることが多いと思います。

最初は、色々なことを試しながら勝てるシステム・ルール作りを行って、それから自分に合ったロットまで引き上げていきますよね。

 

負けることを考えずに株を始めた人も、その成績から少額ロットに移行して、今後ロットアップをしていく予定に切り替えることもよくあります。

 

今回は、株のトレードでロットアップをする時に問題になることを紹介するので、今はまだ小さいロットでトレードしているトレーダーは、現在から対策を考えておくのに参考にしてみて下さい。

 

小さいロットで勝てない人がロットアップすると破綻する

まずは、大負けする人の典型的パターンからです。

株を始める時に、小さいロットから始める人は多い中で、負けが込んできたことをきっかけにロットアップをする人が出てきますが、その場合は典型的な大負けパターンに入るので、気を付けてください。

 

上の記事でもまとめていますが、株で損した人が取り戻そうとしてロットアップをする場合は、大きな損失に繋がるだけですので止めましょう。

 

小さいロットで株のトレードを行う場合、確かに身が入らないトレーダーもいることでしょう。

わずか数百円、数千円の損得を繰り返しても意味がないと感じる人がいるのは当然だと思います。

 

しかし、本来小さいロットで株のトレードを始める時の目的は、「勝てるシステム作り」にあります。

確かに、株のトレードに慣れる意味も大きいのですが、もし小さなロットで負けているのに大きなロットにしようとしているなら、損失額が増える結果を招くと考える方が合理的です。

 

真剣にやれば勝てると思う人も出てきますが、それなら真剣にやって勝てるようになってから大きいロットにしていくべきですし、希望的観測はトレードの世界ではご法度です。

 

また、何の根拠もなくただ悔しいから利益だけを追いかけてロットアップに走っていこうとする場合、例え数回勝てたとしてもトレードシステムが弱い以上は、全ての利益を相場に返すことになるでしょう。

トレーダーは規律を重んじるしか勝てる方法はないので、その真逆に当たる根拠のないロットアップはトレーダーとしての寿命を縮める行為ですから気を付けて欲しいです。

 

この前提に立って、株のトレードでロットアップする時の問題点を洗っていきましょう。

 

それまでの利益が一気に減る恐怖

小ロットで始めた株のトレードを何とか軌道に乗せ、やっとロットアップを図ろうとした時、口座内は少し潤ってきた状態になっているはずです。

最初に証券会社へ入れた資金以上になっているかは人それぞれでしょうが、勝てるシステム作りに、ある程度成功した時点でロットアップに取り組むわけですから、一定の期間内では「増える傾向」を確認したはずですよね。

 

まだわずかな利益しか取れていなかったとしても、大きな利益を手にし始めた時であったとしても、ロットアップによって株の収支の振れ幅が大きくなると、それまでの利益を一気に吹き飛ばすくらいの損失をすることを恐れる気持ちが湧いてきます。

 

人は基本的に自分のした努力の分だけ、対価を得たいと考えます。

頑張ったことは報われて欲しいのです。

と言うことは、小さいロットで何とか確保した利益はとても可愛いものですし、色々考えて決めたロットアップで「振り出しに戻る」ことはかなり辛い経験になることが簡単に予想できるので、それまでのトレードを継続できない原因になります。

 

株は一定の期間内で成績を考えないといけないのですが、どうしても目先の収支は気になってしまうので、収支の振れ幅が大きくなることで自分の中に歓迎できない変化を経験するはずです。

 

この点は次の問題点にも現れます。

 

利益確定は早くなり損失確定もブレる

ロットアップをすれば、小さいロットでトレードしていた時よりも利益確定水準まで早く到達することになります。

例えば5000円の利益で売却していたとしましょう。

それまでは買った株が100円上がらないと利益確定ができなかったのに、ロットを2倍にしたなら50円で済むわけですので、もし5000円の利益で満足するなら、売却は早くなりますよね。

 

株を保有していれば、上がることがある一方で下がることもありますから、本来ロットを2倍にしたなら利益も2倍のところまで利益確定を我慢しないといけないものの、下がった場合のことを考えたり、我慢することで利益を取り逃した経験をしたりすると、どうしても利益確定を早めたくなります。

 

小さいロットの時に確定していた利益水準を越えて保有しないといけないロットアップ時に、早く利益を確定したい欲求はかなりトレードの質を落とす方向で力を加えくるでしょう。

訓練が必要なところになります。

小ロット時の影響で「何となくこのくらいなら満足だ」とする気持ちを抱き易いので、ロットアップをして結果的にシステムをいじるのであれば、収支が変わるのは当然です。

 

また、逆の損失の場合においては、損切り貧乏に陥る人と、切れない若しくは切りたくないと思うことで損失が遅れる人の二つに分かれます。

前者はそれまでの獲得した利益が可愛くなってしまうことで起き、後者はロットアップで冷静さを失うことで起きます。

 

いずれにしろ、ロットアップでそれまでの感覚とは違ったトレードになってしまうことが問題ですね。

本来、パーセンテージで考えるべきところを、収支の額で捉えてしまうのがロットアップ時に起こり易い問題です。

いつも5000円の利益くらいだったのが7000円になれば、いつもより儲けた気持ちになりますが、ロットを2倍にしていたなら10000円まで利確を待つ必要があります。

 

勝てるようになったという「錯覚」を自覚

小ロットで勝てるようになったからと言って、そこがゴールにならないのが株のトレードで難しいところです。

これまで説明してきたこともそうですし、ロットアップすることによって、さらにトレーダ―としての質を問われることも覚悟するべき問題です。

 

株はメンタルが大事だとこれまでもこブログで述べてきていますが、ロットが大きくなることで、メンタルのブレはさらに強まることになります。

利益になれば儲ける額が上がるのですが、損失をだせば当然ながら収支の悪化はひどくなりますので、小ロットでやっていたようにはなかなかできないものです。

 

多くのトレーダーが小さいロットでは勝てるようになるものの、ロットを上げた瞬間に予期しない壁にぶつかって、自分が「勝てるようになった」と錯覚していたことに気付きます。

つまり、小さいロットで勝てるようになったところからがスタートであり、そこからまた少しずつステップアップしないといけないわけです。

長い間、小さいロットで勝てるトレードシステム作りに励んでいたトレーダーは、自信を失いかける経験をすることが多いでしょう。

株のトレードでロットアップをする時に問題になり易いです。

 

「錯覚」と見出しで書いていますが、もう少し詳しくで説明します。

 

「勝てるようになった」ということは、恐らく正しいはずです。

小さなロットとはいえ、ある時点から利益が損失を上回ったからこそロットアップを検討したのですから、そのままやっていれば勝てるはずです。

 

しかし、自分が考えるベストのロットではないのですから、そこから得られる利益も物足りないはずですね。

あくまで自分の思い描く理想の収支を追求したくなるのが、トレーダーです。

そこで、最初から予定していたロットアップをするのですが、「自分は勝てるようになったのだ」という考えが正しい場合は、ロットをいくらあげようが確率とパーセンテージで考えていくことで、利益幅は大きくなるはずです。

しかし、ロットを大きくすることで自分にかかるプレッシャーが大きくなったり、メンタルへの負荷が増すことで、「自分は小さなロットでは勝てるようになった」と自覚することになるという意味で見出しに用いています。

 

極端に言えば、10万円でトレードしていた人が1000万円でトレードした場合、

簡単に勝てるとは予想しないですよね。

これが、ここまで極端な場合でなくても、小さなロットアップ時にも起きるということです。

 

まとめ

今回は、株のトレードでロットアップする時の問題点を紹介しました。

ロットが変われば、また新たな問題点が出てくることをイメージできたでしょうか。

 

小さなロットで勝てるようになったのなら、株のトレーダーとして基本が身についた状態まではきているはずですので、そのまま努力を続けることで大きなロットでも勝てるようになると思いますが、それには予想以上の壁があることを覚悟するべきだろうと思います。

 

極端な例ではイメージし易いですが、10万円から20万円とかの変化でも副作用は必ずあるものです。

まずは、小さなロットで勝てるようになることがはじまりですが、今回紹介した問題点を念頭に置きながら小ロットのトレードを行うと、その先の成長を早めることができると思いますので、参考にしてみて下さい。

 

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