元証券営業マンの本音で語りたいこと

元証券マンとして証券営業の実情から投資信託や株式のことなども本音で語っていくブログです。

株は安定収入があってこそ|逆転を狙った投資はうまくいかない

 スポンサードリンク

f:id:Brightfuture:20150207124001j:plain

株を始める理由は様々ですが、基本は安定収入があってこそ始める価値のあるものだと思っています。

一発逆転を狙った株は上手く行きません。

 

負け組から勝ち組への転身を可能にするツールの一つですが、「儲け」に目がくらんだり、「損」にビビり過ぎては株で利益を得るのが非常に難しくなります。

 

今回は、株と安定収入の関係について考えてみます。

 

投資には勉強期間が必要

株を始めるにあたって、「自分だけは他人と違って、最初から利益を取れる」と考える人がいます。

正直、頭の良い人が株を始めることは多いですから、実力にも裏打ちされている部分があって、ただの勘違いとは違います。

自分をバカだと思っている人は、ギャンブルを始める人が多いです。

 

当然ながら株とギャンブルは「お金を増やしたい」という願望で共通している部分がありますので、重複してやっている人が多いのも事実ですが、株を始めるに当たって、自分の能力を高く評価している人ほどギャンブルよりも株を選ぶ傾向があります。

 

だからこそなのですが、株をやっている人の知的レベルは一般社会の平均に比べて比較的高い傾向があります。

小難しい印象のある株を始めるのに、「自分は理解できる」と思わないと勉強する気にもなりませんから、特にアクティブな株のトレードに興味を示す人は知的レベルが高いです。

 

それにもかかわらず、FXや株の世界では90%強の人が「負け組」にいると言われています。

一般的なアンケートの結果と若干違っていることに個人的には疑問ですし、対面営業でお客さんと接した感じでは、ネット証券を利用することで勝ち組に転身できるだろう人は多くいたので、いまいちイメージしにくいのですが、投資の世界では常識のように語られています。

(対面営業の証券会社を利用している顧客は、確かに長期では9割以上が負けていました)

 

本当に1割程度しか勝てないのかは置いておいたとしても、投資を始めるに当たって、少なくても負けている期間が自分にもあるだろうと想像して始めるのは大切かなと思います。

「自分は違う」と思う気持ちは、正直自分も持っている方だと思いますが、7:3くらいの割合ならまだしも、9:1で負けると言われるなら、難易度を織り込んで見積もるのが賢明でしょう。

 

「絶対」と言いたいくらい「勉強期間」が必要です。

 

安定収入のもたらす効果

勉強期間ありきで考える人には、今回のテーマが滑稽に映るかもしれませんが、案外一発逆転を狙った新規参入者が多い分野なのが株やFXです。

それだけ夢は詰まっていると思いますし、色々な話が巡っていて、本当にその夢を手にしている人がいるのも事実ですから、個人的に気持ちは分かります。

 

しかし、あれこれと試行錯誤しながら株のトレードルールを作ったり、自分の型みたいなものを得るのには相当の時間がかかりますし、最初から株で勝てる人は本当の天才だけです。

勝ち組が10%いるとしたら、その中のさらに10%くらいしかいないんじゃないかなと想像します。

それくらい極稀な存在でしょう。

 

最初は授業料を払うつもりでいなければならないと考えた場合、安定収入の重要性は非常に高いものとなります。

 

人は、どうしても論理的な行動を取り続けることが難しいです。

ダイエットを始めたけれど、ついつい食べてしまう人が多いのも、結局正しい行動よりも、欲求に則した行動を取っているからですよね。

 

株を始める時に、一番厄介な存在になるのが「欲望」と「恐怖」です。

儲けたい気持ち、損したくない気持ちが、自身の株のトレードに色濃く表れますし、システム全体を低品質化させます。

自分を制御するのがとても難しいわけです。

 

その点で、もし安定収入がない中で上記感情と闘うとなれば、一般的な人よりもかなり大きな不利を背負うことになってしまいます。

どちらの感情も、安定収入の無い人にとっては大きなものとなり、打ち勝つのが難しいですし、影響を打ち消すのが難しいです。

 

例えば、株で大きな利益を取りたいと思っていても、お小遣いの範囲から始める場合、感情面の影響を小さくできます。

安定収入がある人なら、次の月にはまた投資資金を補充することもできますし、お小遣いの範囲なら失ってもどうってことはないはずです。

安定収入が無い人に比べれば。

 

追い込まれた状態で株をやっても、最終的に利益を取るのが難しいです。

FXでよく使われる言葉ですが「メンタル崩壊」が起こり易いのが、追い込まれた人ですし、安定収入の無い人です。

「儲けたい」気持ち制御でも難しいのに、「儲けないといけない」とまでなってしまえば、一貫性の担保された株のトレードするのはとても難しいでしょう。

個人的には無理だと思っています。

 

安定収入のもたらす効果として、株の世界で大きいのは「リアルトレードで大きなメンタルの負荷を自分に与えず、自分のトレードスタイルを作れる点」です。

無くなっても良いお金で株を始めることで、試せることも多くなりますし、経験をすることで自分がどのような考えを持ってトレードしたいのかが深くまで理解できるので、追い込まれた状態で一発逆転を狙うべきではないです。

 

安定収入があるなら急落で勝負できる

リーマンショックの時、損した人ばかりに注目が集まりますが、学びを得るなら注目するべきは「儲けた人」です。

経験から思いますが、急落を予見することは非常に難しいですし、上がった相場で急落を恐れてしまうと、一番おいしい相場を取り逃し易いです。

それなら急落した相場の後でどのように動くかを考えた方が、効率は上がるでしょう。

 

リーマンショックで急落した後、相場は大きな上下を繰り返しましたが、現在の日経平均は2倍以上になっているわけです。

底で仕込むことは無理だとしても、落ち着いたところで仕込むことはできたはずですし、失った資産以上に儲けを出した人もいたでしょう。

 

しかし追い込まれて株をやっていた人には、追加の資金はありませんし、予想外の歴史に残る暴落に放心状態に陥ったかもしれません。

その方が自然ですよね。

 

安定収入がある人は、基本的に余裕資産が増加していきますので、投資期間が長くなれば投資余裕は増えていきます。

暴落した時に、しっかり買いが入れられるかはまた別の技術が必要ではありますが、下がった相場で買いを入れる選択肢があるかないかでは大きな違いがありますし、慌てることはあっても追い込まれるようなこともないのはとても大きなアドバンテージになるでしょう。

 

株をやる時に、追加資金を用意するのは基本です。

安定収入がなくてもそれは可能ですが、結局その資金が虎の子的な資金ですから、実際に急落相場に突っ込める資金になるかと言えば、そうではないです。

ただでさえ色々と考えてしまって、メンタルに負荷のかかるのが株のトレードですから、安定収入がある状態で始めるのは基本になるかと思います。

 

まとめ

今回は、株と安定収入の関係を考えてみました。

逆転を狙った投資は上手くいかないことが多いので、「自分だけは上手くいく」と考えるのはとても危険ですから、控えるべきです。

 

安定収入の額によっても条件は様々変わってきますが、要は無理のない範囲で株を始めるのが基本ということです。

追いこれることで収支を悪化させては「勝ち組」に入ることはほぼ不可能でしょう。

9割以上が負ける理由をじっくり考えてみるのはとても重要ですね。

 

株を最初から勝てるものとは思わずに、勉強期間があることを念頭に置きましょう。

 

関連記事: