上昇率ランキングと下落率ランキングは上がり易さと下がり易さを表していない
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株の銘柄探しをする時、ランキングを利用することがあると思います。
色々なフィルタリングで銘柄探しをしますが、ランキングは見ているトレーダーの数も多いですし、同じ銘柄が表示されているので、注目銘柄の発掘が簡単にできますね。
今回は、上昇率ランキングと下落率ランキングについて考えてみようと思います。
ランキングの活用方法を考える時の参考にしてみて下さい。
ランキングが表すこと
まだ株の初心者の方に多いのですが、上昇率ランキングの上位銘柄を買えば儲かると考える人がいます。
でも、実際の勝率は、その方法では非常に悪いものとなるでしょう。
ランキングが表しているのは、その時点の事実だけであり、今後を予想しているものではありません。
好材料が出たりすると、一気に上がり易いですが、その後に続くかどうかはまた別の話であり、その見極めが最も重要なことです。
特に気を付けるべき投資家とは、上昇率ランキングの銘柄を見て、その中から選ぼうとする時、なぜ上がったのかを考えない投資家です。
材料なのかチャート形状なのか、チャートだけで買う人がいても良いのですが、材料が出ているのか否かで判断が変わる時もあるでしょうから、私は調べてみる方が良いと思っています。
数分もかからないですしね。
上昇率ランキングや下落率ランキングは、タイミングを見極めるような使い方をするのは間違いであり、銘柄探しのみに使うべきです。
多くのトレーダーが注目しているわけですから、「これから上がるだろう」と考える投資家と、「これから下がるだろう」と考える投資家がいて、その総量が多いことを表していると考えるべきであり、その中から買えば儲かるということはないです。
大事なことなので繰り返しますが、ランキングが表しているのは、その時点の事実のみです。
寄り天井の銘柄もありますし、そんな銘柄でも下落スピードや上がった時の値幅によっては、数時間に渡って上昇率ランキングの上位に表示されることもあります。
その場合、その日に買った人のほとんどは、損をしていることになりますが、決して珍しいことではありません。
将来を予測するには
チャート分析は、確率で考えます。
「上がる確率が高い」若しくは「勝率を考えてリターンとリスクを比べた場合にリターンが大きい」と判断した時に買い付けを行いますが、ランキングは事実として上がっていることを表しているだけですので、確率に直接影響しているのではありません。
では、なぜプロでもランキング銘柄を取引銘柄にするのでしょうか。
それは、短時間に大きく動く可能性が高いからであり、多くのトレーダーが注目している銘柄を手掛けることで時間効率をあげようとしているからです。
上昇率ランキングや下落率ランキングで注目を集めていると、一方方向に行くかはその時々で違いますが、とにかく大きく動き易いです。
思惑が交錯しますし、ウォッチャーが多いので、行動も期待でき、チャートが動くので時間効率は上がり易いです。
チャートは、市場参加者が多いほど、確率通りに動く可能性が高まります。
力関係がはっきりし易いので、セオリーが通り易いんですね。
もちろん、動きは不安定にはなりますからトレード技術が必要ですが、出来高が多いと、狙った動きが早く確認できることが増えます。
逆に参加者が少ない場合、ビッグプレーヤー一人現れただけでチャートが崩れますので、セオリーは通じにくいです。
仕掛けは効き易いですが、持続する流れに期待するには出来高が重要になります。
上昇率ランキングや下落率ランキングを活かして株の取引を行うなら、その中から銘柄選定をするつもりでランキングを見て、各々のチャートからタイミングを計るようにしましょう。
上昇率ランキングも下落率ランキングも入れ替わりがあり、上位と下位の入れ替わりもありますし、強弱も入れ替わります。
あくまでランキングの活用方法は銘柄選定までに留めておくべきで、そこから先はチャート分析を通常に行う方が勝率を上げます。
ボラティリティ―(変動幅)は上がり易いのが特徴の銘柄群ですので、しっかりとしたトレード技術を持つことが前提ですが、結果は早くでますし、幅も期待でき、デイトレーダーには向いている銘柄群と言えます。
将来を予測するのには、タイミングがとても重要ですので、過去の事実から傾向を掴み、その上で「どのタイミングで」仕掛けるかを吟味しなければなりません。
いつか天井をつけるはずですし、底もまた然りですから、ランキングだけで単純に買ったり売ったりをしていても儲かることはないはずです。
使い方がとても大切です。
まとめ
今回は、上昇率ランキングと下落率ランキングについて基本を説明しました。
ランキングは目星をつけるのに活用するべきで、それだけでは短期投資に重要なタイミングが全く分からないことを理解していないと、損失は大きくなると思います。
上がり易さと下がり易さを考えた場合に、ランキングを見て単純に考えることも危険ですので、生かし方を再考してみましょう。
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