株でバリュー投資する際の基本と注意点|株価はウソをつかない
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株式の取引をされている方で、バリュー投資を基本とする人がいます。
バリューとは「価値」という意味で、いわゆる割安株に投資することをバリュー投資と言います。
バリュー投資は、割安になった銘柄をその価値に見合った株価になるまで長期投資することで利益を上げようとする考え方ですが、いくつかの注意点があります。
今回は、バリュー投資の基本と注意点をご紹介します。
株価はウソをつかない
バリュー投資の基本は、その価値に見合っていない割安な銘柄に投資することですので、度々勘違いされる方が出てきます。
「こんな株価を付けるのはマーケットが間違っている」
それ自体がそのまま悪い考えとまでは言いませんが、これは危険な見方です。
なぜなら、市場は多くの投資家に開かれた場になっており、一部の仕手株を除いて、常に市場から自由競争の中でジャッジをされているからです。
つまり、株価はウソをつくことはないということです。
「将来上昇するはずだ」との見方から始まったり、「この株価ならもう少し上がってこないとおかしい」と思うことは良いですが、株価が嘘をついているような思い込みになってしまってはいけません。
もし、そう思えるような銘柄を見つけた時は、必ずなぜ売られているのかを調べましょう。
思い込みで投資をすると、固執してしまって大きな損失へと繋がります。
客観性を常に担保するのは、市場参加者の責務であり、それがトレーダーを守ります。
バリュー投資の代表例
バリュー投資の基本は、PBR(株価純資産倍率)が1を切っている銘柄に投資をし、1を越えたら売却時期を選択する投資法が最も有名です。
PBRとは、株主資本から見た株価の割安度を測る指標で、その会社がその瞬間に解散して支払義務のある費用を支払い、抱えていた社員への給与や退職金などを支払って残ったお金を株主に支払った時に、投資した額に対しどの程度返ってくるかを表しています。
つまり、PBRが1を切っている銘柄は、その瞬間に解散すれば投資額よりも大きな資金を得る可能性があることを表します。
PBRは清算価値とも言われ、1から下へ大きく下回れば下回るほど割安だと考えます。
企業には通常、資産以外の技術やノウハウなどの付加価値があるため、清算価値以上の株価を付けるのが基本ですが、様々な理由で割安に放置される場合があり、その時を狙って投資をすることで、将来大きな利益を狙います。
有名なバリュー投資家は、ウォーレンバフェットという投資家です。
トレーダーなら知らない人はいないというほど有名ですね。
その他にも多くのバリュー投資家がいますが、バリュー株への考え方が少しずつ違うため、投資手法はそれぞれで変わっています。
その他の有名なバリュー株への考え方として、簿価を使った考え方があります。
企業はそれぞれで土地を持っていますが、時価と簿価に大きな差がある銘柄は本来の価値よりも不当に安く評価されている場合があり、PBRが例え安くなかったとしてもバリュー株である可能性があります。(地価の上昇により割安だと判断される場合もあります)
このように割安株への考え方は、色々な考えを基にすることがあるので、有名なPBRを使った方法以外も勉強してみると良いでしょう。
バリュー投資は長期投資で
マーケットにはその時々で旬になる銘柄が存在します。
国策銘柄だとか言われてカテゴライズされることがありますね。
そういった銘柄は値動きも軽くなり、注目されるので、常に市場の評価が多くの投資家によって下されます。
対してバリュー株はその対極に位置しており、なかなか注目が集まらず、値動きも重たくなり易いのが特徴です。
様々なアプローチから割安株を見つけたとしても、短期で上昇を迎える可能性は比較的低いでしょう。
なぜなら、割安株は色々な理由で投資家が売っている銘柄だからです。
従って、バリュー株投資の注意点の1つ目は、短期ではなく長期で構えるべきだと言うことです。
比較的長い年月をかけて、市場から再び注目され、(その投資家に取って)本来つけるべき株価を付けるまで気長に待つイメージで投資を行う必要があります。
バリュー投資は飛び乗るな
割安だと思う銘柄を見つけると、どうしてもすぐに買いたくなると思いますが、少し待つべきです。
割安な株価を付けるに至った経緯を見る必要がりますし、まだ下がっていく可能性があります。
バリュー投資が、人気銘柄と一線を画しているのは、その銘柄の参加者の数の部分です。
人気銘柄には多くの注目が集まりますので、予想の精度が高ければその分トレード成績はそのまま上昇するはずです。
逆の予想の精度が低い場合は大きな損失を被るのが特徴でしょう。
対して、バリュー投資はその銘柄の参加者が少ない場合が多く、例え予想の精度が高くても、予想通りの株価になるまで時間を要しますし、冴えない株価の動きを見て、乗り換え需要が高まる傾向があります。
下がっていく局面では、まだ様子見をするべきだと考えます。
株価が底打ちをして横ばいを続ける、もしくは底から反転してくるまで投資を控えるべきです。
割安株は下がったからこそ割安株になったのですが、いつ底打ちをするのかは市場が決めます。
ある投資家が割安だと思う水準からさらに下がり続けることは稀ではなく、人気から離れていくことで買いつけようとする人が減る傾向がありますし、一度人気がなくなると返り咲くには時間を要する場合が多くなります。
底打ちから横ばいに入るまでは、下がっても買わないことも注意点です。
ここでもみんなが売っているからこそ割安なのだとする考えを持つべきでしょう。
矛盾するような考えですが、マーケットの需給を考えるのはトレードの最も基本的なことです。
まとめ
以上、バリュー投資の基本と注意点を紹介しました。
割安株を扱う時は、自分の評価と市場の評価の両方を勘案する必要があります。
よく失敗する例としては、自分の評価を重視し過ぎて、市場の評価がおかしいと考え、まだ下がっている途中で買い付けを行うパターンです。
株価は需給によって価格を形成します。
その基本は、手法がバリュー投資になっても変わりません。
下がっているから安いと考えるのは問題ないですが、どこまで下がるかは市場が決めるのだと考えましょう。
バリュー投資で最も大切なことは、需給を念頭に仕込むことと長期投資することだと思います。
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