元証券営業マンの本音で語りたいこと

元証券マンとして証券営業の実情から投資信託や株式のことなども本音で語っていくブログです。

証券マンと鬱病|精神を病む営業マンは多いわけでも少ないわけでもない

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証券営業の世界には、どのようなイメージがあるでしょうか。

 

いくつかの記事で証券営業の現場をお伝えしてきましたが、今回は証券マンと鬱病について私の見た現場について書いてみたいと思います。

 

営業は、成績が明確なので精神的に辛い側面があり、他の業種でも同じようなことが言えますが、証券マン固有の関連性にも触れていきましょう。

 

 

同僚社員の鬱病率の最高は

私の証券マン人生で経験した同僚社員の鬱病率は、約7%という数字です。

40名強の支店で、鬱病社員が同時に3人出た時があります。

 

サブプライム問題発覚付近の時で、社内でも厳しいことで有名な支店長の元で、その状態ができました。

 

女性ばかりだったのですが、一人が鬱病を訴えた途端に次々と倒れていった感じです。

 

張りつめた糸が切れたような倒れ方に、当時の私も大分気落ちして、本気で辞めようか最初に迷ったポイントになりました。

 

しかし、流石に一度に3人も鬱病で倒れたということで本部からの調査も入り、私を取り巻く環境が少し好転したことで、その時の思いは踏み止まることができました。

 

相場の環境が一気に変わってきた時期で、収益の目標は高い中で、相場は急速に悪くなったことから、理想と現実に大きなギャップが出来たことで非常に辛い時でした。

 

リーマンショックもヤバかったですが、浮かれていた相場の終焉の方がショックの度合いが大きかったように思います。

 

 

鬱病になった営業マンは、全て女性でしたが、同期の中では男性の方が多かったです。

 

男女の率には多少女性によっているように感じましたが、私の経験では大きな差はない状況です。

 

その人次第と言った感じで、相場と上司で変わってくるというのが現実でしょうか。

 

証券マンが鬱病になるのは理由が様々

証券マンが鬱病を訴えるには様々な理由があります。

いくつかを紹介しましょう。

 

顧客への多額な損失からクレーム

証券マンは当然ながら常に顧客へ利益となる提案をできるわけではありません。

これは間違いないと思ったものでさえ、損失になる場合があり、さらに会社都合の提案が存在することを加味すると、なおさら損失になる可能性は決して低くないのが、証券営業です。

 

その中で、多額の損失から顧客のクレームに発展し、過度なストレスを感じた営業マンが鬱病になるケースが存在します。

 

これは、証券マン固有の問題の一つかもしれません。

 

クレームは、その場である程度の解決が図れるものもありますが、損失の額によっては長期化することもあり、慣れない内はそういった顧客の扱い方が分からず、精神を病む原因となります。

 

営業マン本人のショックもかなり大きい場合があります。

 

上司からの叱責

昔のような証券マンがどんどん減っているとはいえ、証券営業の世界はどの会社でもしんどいものです。

 

上司によっては個人攻撃は存在していて、同業他社との交流会でも色々な話を聞きました。

 

証券会社単位でその厳しさを計ることでイメージできることもありますが、仕える上司によって環境は大きく変わるというのが、どの世界でも同じようです。

 

営業の世界は、全ての成績が手に取るように分かりますし、そのプロセスについても証券マンは記録をデータで残さないといけないのでよく分かります。

 

上司の中には、かなり厳しい追及の仕方をする人がいて、精神を病む原因になります。

 

先程で触れている支店長は、社内でもかなり有名なパワハラの常習者で、ターゲットに選ばれた社員は、中堅でもかなり厳しい状況に追い込まれており、見ていて非常にしんどかったのを覚えています。

 

ここに関連するのですが、上司からの圧力は直接自分にかからなくても、誰かへ向けられたもので十分に精神を病むことはあります。

 

自分に言われているような気分になって、間接的なストレスを覚えることは多く、上司の中にはそれを意識して部下を叱責することも多いです。

 

もう辞めたい

証券マンは、一定の成績を残せない状態で続けていくことは非常に難しいと言えます。

多くの社員は、成績が上がらないことでいずれ辞めていきます。

 

その理由を考える際に、鬱病を持ち出す社員が一定数いました。

 

なぜその理由を使いたいのかは理解できませんでしたが、流れに乗るというか、鬱病が社内で話題に出る時は、必ず鬱病ではない人が含まれています。

 

取り敢えず少し休みたいという思いがそうさせるのかもしれませんね。

病気に付き物の、仮病が存在するのは間違いないと思っています。

 

良心との呵責

証券営業は、相場の悪い時に利用価値を無くします。

悪いなら悪いなりの商品はあるのですが、それだけで経営を支えることはできず、儲からないと分かっている商品でも、積極的に販売をしなければならない状況に追い込まれることは、少なくありません。

 

どこかでその覚悟を決めないといけないのですが、夢を持って入った会社でそんなことをするのは、人によって相当のストレスがかかることになります。

 

いい人ほど、この理由で鬱病になる営業マンが増えます。

 

何とか踏ん張って転職活動をできれば良いのですが、その気力を失うと倒れるしかないという結果になっていく形です。

 

騙しているとは言えないものの、自分の思う通りの接し方を顧客との間でできないことは、かなり辛いことです。

 

普通の販売員であれば、相対的な意味で損をさせることはあっても、直接的な損失を与えることは稀だと思いますが、証券マンの場合は目に見えて顧客へ損失を提供することになります。

 

悩みが深くなると、どうしても営業成績は落ちていきますから、他の原因も同時に派生することになり、精神を病んでいきます。

 

精神を病む営業マンをどう思うか

私は、結局鬱病にはなりませんでしたが、その気持ちには理解がありました。

鬱病になるのも仕方がないなと。

 

タイトルに出したように、その数については多いとも少ないとも言えないくらいの数でした。

 

異常だなと思う期間はありましたが、その時は世の中でも自殺者が増えており、自分が人よりも圧倒的にまずい環境にいたとは、客観的に言えないでしょう。

 

実際に病気になった人を精神的に弱いとも思いません。

 

しかし、その原因についてはもう少し掘り下げる必要があり、理不尽な理由で病気になってしまうのは、やはりかわいそうだと思ってしまいます。

 

その最たる例が上司との巡り合わせでしょう。

もうすこし業界全体が浄化されてほしいと願っています。

 

私も心を折られそうになりましたから、他の理由と一緒くたに考えるのは、間違いではないかと思うところがあります。

 

しかしこれもどの会社でも同じですよね。

証券マンの特異な部分ではないでしょう。

 

そうなると、やはり良心の呵責が問題になってくるでしょうか。

 

ここで何度も語ってきたことですが、アドバイザー業務に集中できないことは大きな問題です。

 

証券マンはあくまで販売員として考えるべきなのは、利用者も含めて双方の立場で共通していると言えます。

 

 

証券マンと鬱病は、それなりに関連したワードのように思いますが、固有の原因と言うのは案外少ないのかもしれません。

 

社員の自殺者も一人しか知りませんし、それは世間と比べて異常な数字ではないでしょう。

 

あまり過激に話すの内容ではないかなと言うイメージを持っています。

 

 

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