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証券マンは研修ばかり?|誰から投資を学ぶのか

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証券マンがプロになっていく過程について、先日プライベートで答える機会がありました。

 

そこで簡単に説明したところ、その方のイメージとは違ったみたいで大変驚かれていたので、今回のテーマに選びました。

 

証券マンは研修で勉強することでプロになっていくのか、一体誰から投資を学ぶのかについて説明してみたいと思います。

 

 

研修は多い

金融機関ですから、研修は比較的多めです。

大学生時代の友人との話しのなかでそれはよく感じていました。

 

特に入社の1~2年目くらいは泊まりの研修も多くありましたしね。

 

基礎的な知識を持たないとお客さんの前には立てないとの考えがある一方で、同期同士を集めて情報交換や、自己研鑽の欲求を喚起する目的もあったようです。

 

しかし、それでプロの証券マンが出来上がっていくかというとそんなことはありません。

 

ここにきて下さる読者もそうだと思いますが、色々な商品を勉強したり、様々な仕組みを理解するには、とても時間がかかり、会社の用意する研修では足りないのは明白です。

 

私に取って研修は、同期の集まる場という意味合いが強く、その時点での自分のレベルを計る場という意味が大きいものでした。

 

支店レベルではどのような教育があるのか

支店では先輩のOJTがついて細々したことを教わっていくのですが、先輩にもノルマがあり、緊急の内容は当然対処してくれるものの、家庭教師のような教育など期待できるはずもなく、見て覚えていきながら空いた時間を見計らって疑問点を確認すると言った形になります。

 

その点は職場が変わっても同じような状況でしょう。

 

色々なところで怒られながら成長していきます。

その度に断片的な知識を得て、どんどん体系化させていくことで一端になっていくことになりますが、それではどのように顧客と相対するのかという問題が出てきますね。

 

顧客から全てを学ぶ

支店に配属されると、新入社員は新規開拓をメインの仕事にします。

電話や飛び込みで見込み客を作り、関係作りをしながら顧客化していきます。

 

それをかなり早い段階で行っていくので、明らかな知識不足で一般の方に相対することになり、話しかけるこちら側がむしろ分からないことで溢れていきます。

 

ここに成長の源泉が存在します。

 

見込み客との会話で分からないことが出てくれば、それを調べて、勉強して、また話をするサイクルの繰り返しの中で成長することになるのです。

 

見込み客の多くは、既に投資をしたことのある方がほとんどで、会話をしても分からないことだらけというのが、当初の関係です。

その中で努力していくことをかわいい新人だと思った方から顧客になっていくようなイメージですね。

 

支店で聞ける先輩がいれば、そのまま教えてもらえることもありますが、自分でまずは調べないと1~10まで教われるような環境はないと言えます。

そもそもそんな職場はどの世界にもないでしょう。

 

顧客との話で勉強しないといけない部分が出てきて、それを解決することで証券マンはプロへの道を歩みます。

 

ある先輩に新人の頃言われた言葉です。

「客に損をさせてからが証券マンだ」

 

 そうです。

投資の全ては顧客から教わるのです。

 

損した人の気持ちは、実際に損をしないと絶対に分かりません。

しかし、証券マンは自己の取引を制限されているので、投資をしながら学ぶことは実質的な意味でできません。

 

従って、顧客の損益を通じて学んでいくことになります。

新規開拓のアプローチ中も、様々な投資経験談を聞きますので、そこで予備知識を付け、実際の提案が損失になった時に本当の気持ちを知るのです。

 

それでも間接的な経験ですから、実際に損した人の気持ちは本当の意味で理解できていないのでしょうが、担当者としての資質は磨かれることになり、それがプロへの道を進めていくのです。

 

ギャンブルをやったことのない女性証券マンなんかは、最初の損失で大きなショックを受けることも多く、確かに顧客に損をさせてからが証券マンだと言った先輩の言葉に偽りはありませんでした。

 

業種が違えば、成長の過程は少し違ってくるのかもしれませんが、証券マンを証券マンにしてくれるのは、明らかに顧客です。

 

投資を学ぶのはもちろん自分で行い、そのままの意味で顧客から教わるわけではありませんが、広義の意味では顧客は先生でしょう。

 

投資は、学校教育で直接教わることのない分野ですので、やりながら学ぶ他ありません。

圧倒的に予備知識がない状態からスタートする人がほとんどで、そこから色々な気付きを得て投資家としての成長をしていきます。

 

損したことのない人は恐らくいないでしょうし、トントン拍子に進んだ人ほど、大きな損失を被っているのが現実だったりします。

 

証券マンもプロと言えるまでに色々な経験をします。

英才教育なんてものも無いですし、どの証券会社もある意味では教育を顧客に任せている形と言えます。

(あくまで間接的な意味であり、ビジネスマナー等の本当の基礎は当然会社が教育します)

 

少しびっくりする内容となったのでしょうか。

 

新人を相手にしたことのある方には、そうでもなかったかもしれませんが、興味深い内容であったなら良かったなと思います。

 

 

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