会社の飲み会で調子に乗った証券マンの末路は|無断遅刻したら通報されそうになった話(前編)
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ハードなメンタリティが要求される証券マンですが、昔は失踪してしまう人が年間で何人かいたみたいです。
現在は、鬱病にも理解が深まってきている背景もあって、私が証券会社に在籍した期間の中では、聞いたことも見たこともありません。
逃げ出したくなる気持ちは理解できますが、引継ぎしないでいないくなると流石にヤバイ状況になるので、余程追い込まれたのでしょうね。
今回は、会社の飲み会で調子に乗った時のお話です。
お酒はほどほどにしないと事件が起きるので怖いです。
真面目な証券マンでしたよ
一応、先に私の保身に走ります。
今回の無断遅刻の話も含めて、無断で遅刻したのはこの1回限りです。
こちらでも触れているのですが、若手の指導を一手に引き受けるくらいの成績と人望は獲得できていたので、誤解は悲しいかなと。
こんなことがありましたって形で読んでもらえるとありがたいです。
まぁ、どうでもいいことなんでしょうけどね。
前日は半期の打ち上げ
無断遅刻することになる前日は、半期の打ち上げをやっていました。
部店の競争は半期単位で行われているのですが、その日半期の各数字が正式な形で発表され、私のいた支店は部店表彰をほぼ手中に収めたことで、盛大な打ち上げをやることになったのです。
当時の私は入社2年目で、成績も落ち着いて高いレベルを維持できていたので、上司からも可愛がられていました。
数字至上主義ですので、やればやった分の評価がされのは良いシステムです。
ラッキーパンチの概念はありますが、「数字はウソをつかない」という言葉の方が、優先される業界ですので、デキる若手はムードメーカー的な役割を求められます。
数字ができていないと、飲み会ではしゃぐことも憚られる世界です。
今思えば、ちょっと行き過ぎな感じがします。
そんな感じで存在していた私の立ち位置は、どれだけ支店長周辺から離れようとも、すぐに召喚されてしまい、飲み会の2/3は、支店幹部と共に過ごすような形が定番でした。
後輩の女の子とでも親睦を深めたいですが、上司の命令に近い召集には逆らえず、どれだけ席を気にして選んでも、結局は同じ位置に落ち着くような感じだったので、何か見てくれも悪いし(若手なのに支店長に呼ばれることが先輩の中で悪く言う人がいまして…)、事情を知らない人はいなかったと思いますが、媚び売っているみたいで嫌でしたね。
しかしながら、その日は半期の打ち上げ。
さらに、部店表彰を確実にして、正に宴です。
私もテンションを上げて飲み会に参加しました。
当然、私の横には支店長がいる姿を想像しながら…。
部店表彰されると、支店の経費が増額します。
ボーナス査定も、表彰支店にはプレミアがついて上がりますし、個人単位の成績が大事ですが、部店表彰されるかどうかで1~2割ぐらい変わる時がありました。
かなり大きいんですよ。表彰ものは。
そんな背景で始まった打ち上げは、見事に盛り上がります。
言葉だけの無礼講ではなく、文字通りの宴が繰り広げられました。
支店長も大きなプレッシャーから解放されたようで、ものすごいテンション。
普段、できないことで怒鳴りまくっている姿が嘘のように、少年のようなはしゃぎブリでした。
成績の悪い社員まで順番に自席へ呼んで、労をねぎらいます。
「こんな毎日ならどれだけ幸せだろう」
どこかで冷静に見ていました。
だって、鬼の形相でどれだけ毎日、その人を怒鳴っていると思います?
目を疑わずにはいられなかったですよ。
そこに一本の電話が鳴ります。
支店長の携帯に本部長からの「お疲れさん」電話です。
部店表彰の件も間違いないだろうとのことで、本部長の推薦も加えてくれるということでした。
その電話で支店長のテンションはついにマックスを越えます。
狂喜乱舞。
人は変われば変わるもので、私もアルコールが回ったのでしょう。
段々と支店長が可愛く見えました。
そこから無礼講を信じた社員達は大いに盛り上がり、終電まで飲んで解散しました。
普段では信じられない光景が随所に見られ、平和主義の私も心底癒された飲み会でした。
どうせ次の日からはまた修羅場の連続ですが、その日ばかりはそれを忘れて飲めたので酔い方は半端じゃなく、それは皆同じ状態だったと思います。
終電なのに寝てしまった先に待っていたのは
たまたま帰りは一人になりました。
一緒に帰るはずの先輩とどのようにはぐれたのかは覚えていませんが、最終の電車に乗り込むと、当たり前のように私は寝てしまいます。
ついた先は終点。
タクシーで1万円弱くらいの位置ですからそう遠くないのですが、流石にショックで、酔い冷ましの意味で終点駅を散策しました。
歩き慣れていない街ですし、かなりの酔っ払いですから、あまり遠くまで歩くのも良くないと思って、駅周辺をうろついていると、一人の女の子が座りながら携帯を弄っていました。
20代半ばといった見た目で、酔っ払っていた私は、声をかけようと考えます。
なぜでしょうね。
あんまりナンパするタイプではないですし、やるなら罰ゲームでとかなんですが、その日はテンションが高めだったのでしょうか。
寝起きなんですけどね。
ノリに任せて、軟派にナンパすると、案の上彼女のノリは最悪で、私のアプローチは不発に終わります。
まぁ、明らかな酔っ払いです。
彼女の選択は概ね正しいものでした。
酔っているので、面倒になった私はまたしばらく街の散策をします。
交通費のモトを取ろうとしたのかな。
ちょっとした観光気分だったのかもしれません。
遠くはないのですが、あまり行くことの無い街でした。
しばらく歩いて駅へ帰ると、先程声をかけた女性は、まだ座ったまま携帯を弄っていました。
さっきは友達が迎えにくるとの断わり文句だったので、一応そのまま通り過ぎるのも何か負けた男っぽいので、もう一度声をかけることにします。
俺は人間愛で声をかけたんだよ、アピールです。
すると、彼女からは意外な言葉が返ってきます。
「何か誰も来ないっぽい」
寂しそうな声でした。
完全にナンパ成功フラグですね。
そこからはトントン拍子に話が進み、取り敢えず飲むことに。
時刻は既に午前2時近く。
明日は仕事ですが、先程の飲み会で明日だけは数字をやらなくても良いとのお達しを頂いていたので、調子に乗っていました。
若い男女の行き着く先は
なんだかんだと疲れていたはずの私のテンションは、妙な事件でガソリンが注入され、普段の営業トークのように、饒舌に話しを展開します。
ナンパした女の子も非常に良い子で、普通の子でしたし、裏切られた友達の話が尽きず、そのストレスが逆に共通点の無い我々を強烈に近づけます。
人間、気分が良ければどうにかなりますが、気分が悪い時もどうにかできるもんですね。
心の隙間を埋めるのは誰でも良いのかもしれません。
それくらい、終電を逃した上に、迎えの男にまで裏切られた彼女は傷付いていたみたいです。
いわば私は救世主。
需要と供給が合うと、どんなことでも上手くいくのは、人間関係でも同じなのですね。
取っ掛かりが上手くいったことで話は弾み、色々な話をしていく内に意気投合。
でも、私達は男女です。
こんな形の出会いであると、もうどうしようもないのでしょう。
ええ、完全に言いわけです。
でも、まぁきっと需要と供給の関係が成り立っただけですから。
相思相愛。
恐らくその瞬間は…。
ここから先を書いてしまうと少し野暮なので、ショートカットで、目覚めた瞬間からのお話に移りましょう。
しかし、いつも以上に長くなってしまったので、お話の続きは次回に譲ります。
申し訳ないですが、次回をお楽しみにしてもらえるとありがたいです。
すみません。
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