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株はなぜチャートパターンで売買するのが有効なのか

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株にはいくつかの有名なチャートパターンがあります。

三角持合い上放れや、ダブルトップ(ダブルボトム)などはご存じの方も多いでしょう。

 

チャートパターンを覚えておくと、買うタイミングや売るタイミングに根拠を持たせることができますし、状況次第では勝率を上げることもできます。

 

今回は、株はなぜチャートパターンで売買するのが有効なのかについて説明します。

 

株は人が動かしている

金融工学の進んだ現在においては、確かに「人以外」が株を動かすこともありますが、金やFXに比べれば株は個人の力も大きいですし、小さな銘柄ほど「人以外」の影響は小さくなります。

 

また、完全なるシステムトレードに持ち込むロジックにも人の動き方を数値化している側面もありますから、「株は人が動かしている」と言える状況はまだ続いています。

 

そうであるならば、大衆心理を如何に自分の都合の良い形で売買に活かせるかが重要になり、その傾向を掴むこともまた重要です。

 

上の記事で、大衆心理を利用するにはどのように考えるかを一度まとめました。

人の逆に行って、大きな利益を目指すのはリスクが大きく、リターンが見込みづらいのですが、それは株を動かしているのが「人」であるからですし、それに真っ向から反対の動きを取れば、短期売買において勝つのが難しくなります。

 

市場参加者の大部分が上がると思っているなら上がりますし、逆なら下がります。

全てがその通りに動くわけではないので、トレードを難しくしているのですが、確率に訴えるトレードを身につけることができれば、人が動かしている株だからこそできるトレード手法の考え方も理解が進むと思います。

 

チャートパターンは多くのトレーダーが見ているもの

より多くの人が自分の行動と同じことをやればトレードで勝てるようになります。

自分の買った銘柄を、その後にたくさんの人が買ってくれれば株価は上昇しますので、トレード技術が例え無かったとしても、自分が買った後に他の投資家がどんどん買ってくるような形になれば利益を取るのが簡単です。

 

では、より多くのトレーダーはが買う場面とはどのような時でしょうか。

それが分かれば、株で勝つことができそうです。

 

その最たる例は、チャート分析によって同じ答えが出る「形」です。

今回のテーマであるチャートパターンがその一つですね。

 

よく「誰も知らない買いサインを教えます」なんて宣伝文句で売買手法を販売しているサイトを見かけますが、本質をあまりに無視しているかなと私は感じます。

誰も知らないサインなんて、何の役にも立ちません。

そのサインで買っても誰も後から買ってくれるわけではありませんから。

なぜなら「誰も知らない買いサイン」だからです。

 

従って、より多くの人が買うかどうか迷うところで、半歩先に買いを入れることが株やFXで勝つコツになりますし、より多くのトレーダーが注目するポイントがどこなのかを察知する方が「誰も知らないサイン」を探すよりも余程重要なことです。

 

チャートパターンを全く知らない投資家はほとんどいないでしょう。

相場分析にもあらゆるメディアから発信されていますし、チャート分析の基礎ですから、初心者の投資家でも早めに知識を得ます。

チャート分析方法は、多岐に渡っていますから、移動平均線だったりボリンジャーバンドだったり、チャートパターン以外にも見られているものはたくさんありますが、多くのトレーダーで併用しているのがチャートパターンによる分析です。

 

例えば、水平線トレードの場合、真っ直ぐ横に引いたラインでレジサポ(レジスタンス=抵抗線、サポート=支持線)ラインを定め、サポートラインで反発したら買いとか、レジスタンスラインをブレイクしたら買いなどと判断しますが、この時にもチャートパターンが完成しています。

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赤いラインがサポートだとします。

ラインで何度か跳ね返されたのを確認して(左の見えていないところ)、サポートラインを引いたところにもう一度タッチして上昇していったので、水平線で押し目買いするポイントになりますが、同時にチャートパターンであるダブルボトムが完成して、そこからも買いシグナルを確認できます。

少し変則的にしたので分かり難いかもしれませんが、現実的なトレードにおいてはこのようなことがよく起こるので、綺麗なものにはしませんでした。

 

ライントレードが有効なのかどうかはまた記事を改めますが、チャートパターンを使ったトレードは案外多いものです。

組み合わせとして使いやすいので、メインの分析方法にプラスアルファーとして考えるのです。

 

チャート分析は、自分の行動の後に、より多くの人が同じ行動を取ることが最も望ましいので、多くの人が見ているものを使って分析する必要があります。

誰も見ていないものには価値がありそうですが、誰も見ていないのなら次の行動に影響しないことを意味しており、現実的には人よりも早く動くための手法構築を目指す方が早いはずです。

 

難しいのは使う局面

ここまでチャートパターンによる売買の有効性を説明しましたが、注意点を説明しておきます。

 

チャート分析の全てに言えることでもあるのですが、あらゆるチャート分析は、使う局面に依存してトレード成績を大きく変えます。

つまり、どこでも機械的にハメていけば良いのではなく、有効な局面をどのように捉えるかが大事なのです。

 

有名な手法のほぼ全ては、長期的に機械的な売買をした時、必ずと言って良いほど損をします。

一目均衡表の雲抜けであろうが、ボリバン-2σからの買いだろうが、全てを試したとは言えませんが、検索で上位にくるものくらいは全て試してみて結果を知った時は唖然としました。

どれも使う局面が大事であり、どんな相場でも勝てる手法は恐らくありませんし、有名なもののなかにはないと(私的には)断言できます。

 

これは、チャートパターンにも言えることでして、どんなパターンでも機械的にはめていけば勝てるほど甘くはありません。

「どのような時に有効なのか」を判断しないといけないのです。

 

トレードする時は自分のルール構築が大事であると繰り返していますが、検証をしてみると分かることの中に、「どれも、ただあてはめて考えていけば良いのではなく状況の把握が大事である」ことがあります。

即ち、環境把握がチャートパターンを使う時にも必要だということです。

 

チャートパターンで取引を行うのが良いと言うからやってみたけど、全然勝てないという人は、恐らく環境把握ができていないからだと思います。

下げ相場の時に、買いシグナルが出ても見逃さないといけませんし、逆でも同じです。

どんな相場でも勝てる手法を作ることは本当に難しいことでしょう。

私はそんなものは無いと思っていますが、環境の把握をすることでチャートパターンを活かす方法はあるので、視点を間違えないようにすることが大事であると考えています。

 

まとめ

今回は、なぜチャートパターンで売買するのが有効なのかについて説明しました。

より多くのトレーダーが次に何をするのかが分かれば、勝ち易く負けにくいトレードができるようになりますが、チャートパターンを活用するとそれが見えやすくなるかと思います。

 

しかしながら、最後に触れたように相場環境に合わせたカスタマイズが求められますし、フィルタリングして確率高いトレードだけをやり続けることも大事なことです。

 

もしチャートパターンをあまり理解していなかった場合は、勉強してみましょう。

あらゆるチャート分析手法との併用が可能なので、強力な武器になると思います。

 

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