投資信託のおすすめ購入方法|買い時が分からない人へ
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今回は、実際に投資信託を購入する際の購入方法を説明します。
基本的には、タイミング投資が難しいと感じる長期投資派の初心者投資家へおすすめする購入方法ですので、中級以上の方は、考え方を応用してもらう形で活用してください。
投資信託は、いつがベストの買い時かは、誰にも分かりません。
その前提にたって考えると、長期的にリターンを得ることのできる投資方法だと思っています。
NYダウの値動きに見る相場の特徴
Bloombergより NYダウ5年チャート
上の図は、世界の株式の大中心である、NYダウの長期チャートです。
終わったチャートをみると、簡単に利益が出せそうに感じるのは完全な勘違いなので、細かくみていきましょう。
特徴を先に挙げます。
- 長期的には右肩に上がっている
- 上昇はゆっくりで下降は早い
- 定期的に急落している
- 下降時は出来高が増えている
- かなり上下の幅が広い
- 時期によっては乱高下もある
こんなところが挙げられるでしょうか。
NYダウは、世界の中心であり、急落するようなことがあれば、そのショックは世界中に回っていきます。
基本的には、世界を先導していく市場なので、株式型の投資信託を買い付ける際は、NYダウがどのような動きをしているのか確認することは重要です。
また、NYの株価が下がると世界中でリスクオフ(リスクの高い資産から逃げる)の動きが強まり、円高になることが多いので、債券型で運用する場合もやはり大きな影響を受けます。
Bloombergより ドル/円5年チャート
ドル/円の長期チャートも載せておくので、急落が同時に起こっているポイントがあることを確認しておいてください。
先程挙げた2番目から4番目の特徴を踏まえて、NYダウの動きを再度確認してみて下さい。
投資信託の買い時の難しさが分かってくるかと思います。
定期的に急落を迎えていることから、どんな時に投資信託を買っても含み損を抱えそうですし、山や谷の頂点は誰にもわかりません。
誰だって損をすることが分かっている局面では買わないわけですから、チャート上でどんな頂点をつけようとも、買った人はその後に上がることを予想しているわけです。
さらに、下降時はスピードと出来高が増えています。
これは、人間の恐怖心を如実に表した部分です。
大切な資金が減ってしまうことは、いくらリスクを適切に理解していてもストレスを感じます。
資産が減るスピードが加速していくとストレスはさらに強まり、冷静な判断力を無くす投資家が増えていく結果として、さらに下落のスピードが上がるというのが相場の特徴です。
最初は、少しずつ売却をしていく投資家が出て、その影響で下げが強まると、どんどん売る投資家がでてきて、一気に下げていき、パニック的な急落を演じます。
話をただ聞くだけだとイメージが具体化しないかもしれませんが、チャートをよくみながら自分の資産が減っていく状況を想像してもらえると、少し理解が進むかもしれません。
急落した後は、それ以上売る投資家の動きがなくなりますので上昇に転じていきます。
パニックで持っていたものを最後に投げた投資家が一番損をするわけですね。
しかし、その急落はどこまで行くのか誰にもわかりません。
もっと下がると思ったから売るわけですが、「パニックになって売ってしまった」ということはキーワードになります。
自分がそうなることを想定した投資信託運用が必要になります。
タイミング投資の難しさ
タイミング投資の最たる例は、株とFXでしょうか。
特に為替の動きを使ってトレードしているFXは近年人気になっています。
FXのトレーダーはどのくら利益を上げているかご存知でしょうか。
それは約10%くらいだといわれています。
タイミング投資は多くの時間を使って勉強した個人トレーダーでも難しい作業だということがよくわかる例と言えますね。
分散買い付けを考える
前置きが長くなりましたが、具体的な投資信託のおすすめ購入方法を説明していきます。
投資とはどのようなものかを理解すると、良い時期の買い付けが実質的に結果論でしか語れないことを理化できたと思います。
どのような環境に置いても、相場の見通しを語る専門家は上昇を予想する人と下降を予想する人に分かれます。
それを踏まえて、投資信託を買い付ける際は、まず期間を設定してください。
私のおすすめは、5~10年です。
それくらい使うことのない資金の総額を調べて投資に充てることのできる資金を決定してください。
投資元本の総額が決定したら、表の形で買っていきます。
- 最初に資金を3つに等分します。
- その内の2つをまた3つに分けます。
- 買い付け時期の条件に沿って買い付けを行っていきます。
- 大きな下落では売却をせずに資金を投入します。
買い付けの適切な時期はわからないことを前提にしています。
投資は必ず損をする人がいる世界なので、損失のリスクを極力なくすようにロジックを組んでいます。
表の解説をしていきます。
最初に資金を3つに分けて、相場の急変に対応できる準備をします。
どんな状況になったとしても自分が対策を取っていることで、過度な不安を覚えることを無くし、実際の急落時に買い付け単価を避けられます。
次にその内の一つを買い付けるのですが、買い付けを決めた時の状況がその先と比べて良い条件なのかどうかわからないので買い付け時期を3つに分けて3回の平均をとります。
段々に上がっていって高い値段で買う形になる可能性もありますが、機械的に1/3を投資するようにします。
せっかく良いものに目を付けていたのに、上がってしまったことで買い付けをできないことを防ぎます。
その後の急落には対策があるので、あまり心配せずに投資を行います。
ここからは、多少条件面で変わってきます。
2つ目の資金を投入する条件は、「高値から10%の下落」ですが、これは買い付けた投資信託が順調な時です。
右肩に上がっている状況で急落を迎えた際は、この条件で執行していき、3回分買い付けを終えたところで、大きなショックが無い限り、買い増しは終えます。
運用がいまいちで、高値をつけては下げてを横ばい状態で繰り返している場合は、買い付け単価から10%の下落を待ちます。
このポイントは個人の裁量判断が入ってきます。
投資する銘柄毎の動きにも依存しますので、買い付けを行ってからでも良いですから運用の状況を見ながら執行条件を設定しましょう。
上の表の場合は、新興国の株式で運用するタイプを想定しています。
(債券型は%を変える方が良いと思われます)
最後の1/3は、保険的な役割です。
これ以上は下がらないだろうと思うところを、さらに突き抜けて下げてきた時に執行します。
その時は大きな不安があると思いますが、リーマンショック後の動きをみても、歴史的に相場の急落の後は回復している事実があります。
長期で構えた以上は、最後の資金を投入したら上昇するまでひたすら待ちます。
結果的には長期で利益を得ることは可能かと思いますし、最後の資金は一番の利益を生むポジションですので、条件を決めたら最後の資金を投入して、その後は利益が乗るまで待つようにします。
半年に一度は、同カテゴリー内のファンド比較を行い、自分が保有しているファンドのパフォーマンスが悪くないかのチェックは行います。
ファンド選びに失敗してることが中期程度の実績に出ている場合は、乗り換えを検討するようにします。
しかし、あくまで長期保有が原則なので、顕著な差が表れていない限りは、保有を原則とした考え方で確認する形です。
実際の投資活動
投資信託のおすすめ購入方法として具体的に紹介しましたが、一定の裁量判断が必要になるので、ここからは考え方を説明します。
まず、買い付けの値段が高いのか安いのかを決めるのは、その後の動きですから、ここに対応しましょう。
私の場合は月1回の購入で3回に分けることでした。
さらに、年間ベースの急落は必ずどこかに発生していて、その後の回復している状況があります。
それには備えた方が良いでしょう。
私の購入方法は、3回分の急落対応資金を用意しています。
最後に、大きなショックを越えるために資金を用意しておきましょう。
もうここからは下がらないだろうというポイントから実際は何度も下落しています。
私の方法は、それに対応できるように、ショックの対応資金を用意しています。
投資は、欲と恐怖が色々な判断を狂わせます。
その最たる例が、急落時のチャートの動きでしたね。
自分だけが上手く投資できることを期待したいのが人間なのですが、そううまく自分だけハイセンスな投資活動はできないものです。
私の方法では、多くの急落に対策を置いています。
その大きな理由は、急落に対する恐怖を無くすことです。
冷静さを失うと、判断力の低下は顕著になります。
自分がしっかり対策を講じていることが、運用を有利に進めてくれるでしょう。
少しでも損をした経験がある人はこの意味が体に沁みて分かるかもしれません。
買い付けの時期をタイミングよくつかみたい気持ちはよくわかりますし、その努力は続けるべきです。
しかし、タイミングを逸して、せっかく良いものを見つけても利益が取れないことも大きなストレスになります。
また、その経験から自分の投資判断を過信してしまうと、何でもない相場なのにチャンスだと判断して大きな資金を一度に入れてしまい、多額の損失を被ることもあります。
投資は軸足をリスクに置くべきであり、欲を優先すると、人間の根本にある投資への非効率な行動が前面に出た投資判断をしてしまう原因になるでしょう。
今回の方法はあくまで私の方法であり、自分の性格を加味しています。
自分に合う形でアレンジすることは重要ですし、やろうとしていることへの信頼感がないと上手く実行することはできません。
しかし一方で、このような分散した購入方法は、多くの利益を得たいと考えるより、資産を守りながら運用したい人には向く方法かと思います。
説明してきたことは、私の担当した2000人以上の投資家の行動を踏まえて作っているものですので、研究する価値くらいはあります。
このような視点を持ったことのない方は少し勉強してみることをおすすめします。
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