汗が塩に変わるほど頑張っているOJT担当した後輩の証券マンを見て思ったこと
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私が直接OJTとして担当した後輩の中に汗が塩に変わるほど頑張っている後輩がいました。
私も何度かそんな経験を新人の頃にしましたが、改めて後輩のそんな姿を見て、色々思うことがありました。
今回は、汗が塩に変わるほど頑張っていた後輩の証券マンの話です。
ホウレンソウができない後輩君
今回の主人公は私が始めてOJTとして担当した後輩証券マンA君です。
A君は仕事のできない証券マンでした。
まず、ホウレンソウができません。
報告と連絡の差がつけられず、相談が的外れ且つ「できていないから聞いているだけ」と社交辞令のような相談しかしないタイプでした。
心を開くのが苦手と言うか、とても奥の方でプライドを保持するような、そんな感じの人だったので、私の方からなるべく歩み寄るようにしていました。
初めてのOJTをやることになった後輩でしたので、かなり可愛がっていたのですが、なかなか成績が上がらずに、苦労していた後輩に同行訪問したり、セールストークを個別で指導したりしていました。
汗が塩になるほど頑張る
飛び込み営業を頑張ると、夏場にはかなりの汗をかきます。
飛び込み営業のことは下の記事で一度まとめています。
飛び込み営業は、基本一人で行うのでサボりたいなら簡単にサボれます。
成果は数字には表れにくく、蓄積が徐々に成果になる感じですし、意味のない飛び込みを繰り返しているような感覚になるので、続けることが難しかったりします。
お客さんを開拓できない期間が続けば、尚更ですね。
でも、今回主役の後輩君は頑張ります。
汗が潮に変わるほどに。
それが本当に頑張っている結果そうなったのかは、話しを聞くと分かります。
私を含め、証券マンはみんな同じ道を辿っているので、本当に飛び込みを頑張っているのか、頑張っているアピールをしているのかは、話を聞くとだいたい分かりますから、よく話を聞くようにしていました。
私の上司を含め、最終的な判断は、「ちゃんと回っている」と確信できる話振りだったので、話を聞くたびに安心していたのですが、いかんせん数字・結果が伴いません。
私も一緒にかなり悩みました。
飛び込みは量に比例して数字になる
私は、飛び込みは「量」でどうにかなると思っていました。
新人の証券マンは知識はないので、「熱意」で押していくことになるのですが、1日に100件とか回っていれば、1~2人は自分のことを気に入って話を聞いてくれますし、そんな人が20~30人もできれば時間の問題で口座開設してくれます。
大きいお客さんになって、いわゆる成果として数字になるかは別としても、口座開設件数には貢献してくれますし、新規開拓ができていればどうにかごまかせる部分もあるので、「回る」ことはとても重要でした。
しかし、私がOJTとして担当した後輩の証券マンは、数字が全くついてきません。
アプローチをそこまでできていて、なぜ顧客化できないのか、むしろ不思議なくらいでした。
かわいそうだと思いながらですが、むしろ不思議過ぎて、そのカラクリの方が気になっていたのが本音です。
最後の押しは必須
彼は、気持ちの優しい人でした。
空気は読めませんが、人を傷つけないように気を使える人で、だからこそ数字ができていなくても周りから可愛がられていました。
ある日、あまりに成果の上がらない後輩のために、私の営業時間を削って、同行訪問で様子を見てみました。
その結果、あまりに悲惨だったのが、クロージングの押しの弱さ。
全く押せないので、顧客化できないのは当たり前でした。
せっかく同行訪問しているので、隣から割って入って、クロージングをかけるとあっさり新規開拓成功。
経験のある私の方が営業力があるのは、年の功なのですが、ちょっとびっくりするセールストークでしたね。
しかし、問題はその先にありました。
いくら指導をしても、コツを教えても、クロージングが全くできないのです。
実践ではもちろん、ロープレでも同じでした。
彼は、最後の押しが絶望的に苦手だったのです。
向いていない証券マン
一口に証券マンと言っても、色々なタイプがいます。
誰もがバリバリとやるタイプではなく、せっかちな人が多いには多いのですが、おっとりした人もいますし、見るからに穏やかな人もいます。
だから彼の優しい性格は、活かし方で変わるはずでした。
しかし、元々コミュニケーション能力が怪しい中で、クロージングが弱い特性は完全に証券マンに向いていないタイプでした。
「自分のお客さんになってほしい」
「自分と取引することで、この人の役に立ちたい」
新人の頃に持っているべき気持ちですが、彼はこれがなかったかなと振り返ります。
やる気はあるのですが、「結果」よりも「過程」にモチベージョンが高いのが問題で、本来証券マンは結果に拘って仕事をしないといけないのですが、頑なに結果を求めない営業を続けました。
結果の出し方が分からないわけではなかったはずですが、納得できない様子で、彼の行動面が変わることがなく、最終的に彼は辞めていくことになります。
数字を求められるようになる時期を迎えれば、結果の出し方を、理論ではなく実践で学んでおかないと太刀打ちできないので、「ヤバイ」と思った時点でほとんどの場合、手遅れになるのが証券営業の世界ですから、上司の圧力に屈する形で彼は退社することを決めました。
今、考えてみると、彼の一番の問題点は、柔軟性の欠如かなと思います。
愚直な性格なので頑張れたのですが、頑ななところがありました。
理解するけど納得しないので、少し変わることはあってもすぐに元に戻ってしまいますし、納得のいかないことをさせられるとモチベーションが下がってしまいます。
証券マンならではの結果の重要性をかなりの時間を使って説明していましたが、「自分の方法」で結果を追い求めたかったようです。
それで結果が出るなら、ほとんど問題はありませんでしたが、彼の性格上、証券マンには向いていなかったのでしょう。
そのまま結果を得ることのできない期間が長くなり、辞めざるを得ないまで追い込まれてしまいました。
辞めたことは彼のためになったでしょうし、その後にした仕事では成果を得られたので良かったと思いますが、証券マンに向かない人がいることを実感した経験でした。
コミュニケーション能力も必要ですが、「熱意」はもっと大事かなと思います。
まとめ
今回は、汗が塩に変わるほど頑張っているOJT担当した後輩の証券マンを見て思ったことをまとめました。
私のOJTとしての力の無さもあったと思いますが、証券マンに向いていない性格の人がいるのも事実でしょう。
せっかく頑張っているのだから「結果」を出させてあげたかったので、辞めた時は本当に残念に思いました。
多くの人が去っていく業界ですから、色々なパターンで辞めていくわけですが、色々思うことがあった経験です。
辞めた後で、彼の人生が好転していったのでかなり救われましたが、その後の私の仕事に大きく影響した経験でした。
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