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株の損切りは負け?プロの視点で損切りは負けではない

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株の損切りについては下の記事で一度触れています。

株をやっていて損切りしたことがないという人はほぼいないかなと思いますが、そもそも株で損切り(ロスカット)するのは負けなのでしょうか?

今回は、損切りについてプロと一般投資家の差を考えてみたいと思います。

 

株に確実を求めるプロはいない

株式を取引するなら「上手く負けろ」と言われます。

負け方を知らないと勝てないと言うのです。

柔道の受け身にも少し似ているでしょうか。

 

株に確実を求めてはいけません。

ポジジョンを取ったプロトレーダーに「その株は上がりますか?」と聞いたら、こんな答えが返ってくるかなと思います。

「上がると思ったから買った。でも上がらなければ切るだけだ」

株に確実を求めるプロはいません。

自分の売買については、確率に身を委ねているのであり、その優位性に身を委ねるのがプロです。

 

株をやっている人は総じてマイナスになるトレードを「負け」と表現しますが、概念はその人毎に違っています。

トータルのプラスを投資で得ることが目的ですので、一つ一つのトレードにはあまり意味がないはずです。

「コツコツドカン」型のトレード、つまり小さく勝って大きく負ける人は、負けに対する概念を変えないと恐らく勝てるようにはならないだろうと、私は考えています。

 

感覚の調整は恐ろしく難しい

 確率、優位性で株の取引を考えることは非常に難しいです。

ルールに従うことも同じく難しくて、自分のトレードシステムを考え方から変える必要性に気付いても、納得のいくトレードだけ行うことは簡単じゃないのですね。

 

しかしそれでも取り組むべきことがあるなら、苦しくても上手くいかなくてもやるしかないでしょう。

 

プロの視点は、自分の取引が、優位性を確保しながら一貫性を維持しているかどうかであり、損切りは負けではなく、トレードシステムの中にあるべきものであって、セーフティーネットです。

 

収支は、後からついてくるものであり、取りに行くべきものでもありませんから一つ一つのトレードは収支を気にしなくなるのがプロです。

 

しかし、一般投資家は収支に偏重した感覚で株を見てしまうので、一貫性のあるトレードはできなくなっていきます。

3連敗した後で、同じルールの中、4回目のエントリーを平常心で行うことは難しいですし、連敗数が多くなるほど難易度は増すでしょう。

自分が信じられなくなりますし、実際の収支が感覚を奪っていきます。

 

本来、株のルールを作る時は過去チャートで検証を行い、勝率と一回あたりの収支平均を割出し、勝てるトレードシステムを構築するのですが、そこまでできない一般投資家は、視点からずれていってしまうので、いずれくる連敗で崩れていくのが最も通り易い道になっています。

 

トレードに対する感覚を、勝てるマインドに調整するには訓練が必要なのですが、そのマインドセットが必要だと気付くことが始まりですので、損切りが負けだと思うのなら、株で勝つ方法をもう少し考える必要があるかと思います。

マインドセットの必要性が見えてきませんか?

 

損切りは外科手術よりも気軽な健全化策

人間でも悪いところがあれば、手術で取り除くことがあります。

ガンなどは最もイメージし易いでしょうか。

そのままにしていくと、命を落とすから必要なものだったとしても外科手術で取り除きます。

 

本当にしんどいことかもしれませんが、内臓を切ることをためらう人は少ないと思います。

必要な措置として、そこから先を考えますからね。

 

がんを話題に出すと、私の経験上の話を越えてしまうので、もっと気軽なものにしましょうか。

私は、盲腸を取った経験がありますが、その手術自体に嫌だとか、悪いイメージを持ちませんでした。

お腹痛かったですし、必要な措置だと覚悟したのでしょうね。

良いイメージなんてなかったですが、早く取ってくれと思ったのを思い出します。

 

本来、損切りも同じように考えるべきなのです。

放置したら命を取るがんなのかはわかりませんが、大事に至る前に取り除けたなら、そこから先を考えるべきですし、そうなった原因があるならそれを取り除くべきですね。

 

損切りは外科手術のような大それたものではありません。

何回かクリックしたら終わることがほとんどでしょう。

問題は、その損切りの必要性を自分だけで判断しないといけない点であり、そのポジションが悪性を孕んでいるのか、良性のものなのかという判断です。

 

しかし、必要があれば迷わず断行することができなければ躊躇もあるでしょうし、嫌だとか損切りしたくないと思っていれば、不必要なバイアスがかかって、損切りの必要性を判断するのに、自分の能力すら最大限には活かせません。

 

損切りをどのように捉えているか、今一度考えてみる必要があると思います。

 

まとめ

今回は株の損切りは負けなのかをテーマに、プロの視点で損切りは負けじゃないことを説明しました。

自分のトレードに対する考え方を変える契機になった方がいれば幸いです。

 

損切りは収支を悪化させるものではなく、健全化するために必要な措置であって、優位性に訴えるトレーダーの必需品です。

考え方を変えるのは訓練が必要なので、簡単にマインドセットをすることはできませんが、変えようと思ってトレードを行うか、何となく続けてしまうのかでは長期で大きな差がつくでしょう。

 

株の取引が上手くいっていない人は、損切りを自分がどう捉えているかを考えてみましょう。

 

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