元証券営業マンの本音で語りたいこと

元証券マンとして証券営業の実情から投資信託や株式のことなども本音で語っていくブログです。

株主優待で株を買う時の注意点|所有効果が売却を難しくする

 スポンサードリンク

f:id:Brightfuture:20150105122606j:plain

株を売買する時に株主優待を気に入って買う時があります。

株主優待に力を入れている企業はかなり多く、有名なマネー誌でも頻繁に特集が組まれていますね。

 

株を長期投資する時は、株主優待も含めた実質的利回りを気にして銘柄選定を行う場合も多いですが、短期売買もそれと混同して考える時は、注意が必要です。

 

今回は株主優待で株を買う時の注意点を説明して、所有効果が売却を難しくしている点についても考えてみたいと思います。

 

株主優待

株主優待は、長期で株を持つ時にもはや無視できないほど充実してきました。

企業は自社株の魅力を高めるために、投資家に還元する意味を込めて配当金を出しますが、同じ意味で用意される株主優待も金額換算した場合に大きな金額に相当することは多いです。

 

以前から株の配当金利回りに注目して銘柄選定のヒントを示す雑誌等は多かったのですが、最近では株主優待まで含めて考えることが多くなりました。

 

今や株主優待を考えずに長期保有する銘柄を決めるのは投資効率が落ちると言えるでしょう。

長期投資で株を持つ場合は、一つの判断基準として有効だと思っています。

もちろん、それ以上に大事なことは成長性であり、値上がりの見込みだと思っていますが。

 

株主優待に関して私が一番厄介な問題だと思っているのは、短期の売買を意図しながらも滑り止め的な意味で株主優待を考える場合です。

つまり、買う時は短期売買をする予定だったが、下がってしまって売るに売れない状況になった時に「この銘柄の株主優待はいいから後1ヶ月持って、もし下がるなら株主優待貰って値上がりを待とう」とする考え方になってしまうのは、大きな間違いになってしまいかねない考え方だと思っています。

 

チャート分析などを根拠に短期売買のつもりで買った銘柄は、その根拠が崩れた時点で売るべきだとしてきました。

 株をやろうとする時、勉強してから行う人は、株主優待にも注目される人もいると思いますが、売るべき時に売らない理由を作ってしまうことがあることを理解しておくべきです。

多角的に株の値段が決まる構成要素を勉強することは大切なのに、それが逆に取引を難しくしているのは、何ともやるせない問題ですが、どんな道でも進むほどにその複雑さを理解するものです。

 

 

後半は短期売買の場合に損切りしない理由を株主優待でこじつけで考えてしまう危険性を説明しましたが、これと同等に難しい注意点があるので説明していきましょう。

長期投資でも絡む注意点なので自分が良い株主優待の銘柄を持っている状態だと思って読んでみて下さい。

 

所有効果が売却を難しくする

例えば、ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドの場合、株主優待で1デイパスポートが100株で1枚、年2回(3・9月決算)貰えます。

もし100株持って2年保有すれば4回貰えることになりますが、持つ時にはそこまで気にしていなかったとしても、元々ディズニーのファンだった場合や、金券ショップに持ち込んでも高く売れますので、配当金以上に楽しみになることが多いです。

オリエンタルランドに限らず、株主優待を楽しみにして、いつの間にかその銘柄のファンになってしまうことは多いものです。

 

そうなると、売買する上で邪魔になるのが「所有効果」です。

人間は自分が持っているものを価値があるものだと思うところがあります。

よく捨てられない人がいますが、その人が抱えている問題は所有効果だけで語ることはできずとも、一定の影響を受けているはずです。

 

株を長期保有した場合、いずれにしても「所有効果」は売却を難しくします。

動きを見ながら株を保有しますが、やはり付き合いが長くなれば可愛くなるのが株も一緒なので、特に値上がりした場合に売却の難しさを感じる方が多いです。

右肩上がりに上がってきたなら、長期トレンド入りしている可能性があるので、超長期で保有することは一概に間違いではありませんが、それでもいつか売る時期を考えないといけないことには変わりなく、やはり迷いがとても深くなります。

 

また、材料によって短期の上昇をした時などは売り時をしっかり判断しないといけませんが、何となく持ってしまって一山取り逃すことは本当に多いものです。

 

この所有効果をより強くするのが株主優待などの付加価値だと言われています。

所有の満足度を大きく高めるのが株主優待だということですね。

だからこそ、各社が挙って株主優待に力をいれて、自社株の長期安定化を図っているわけです。

1年以上持った人を対象に株主優待をより充実させる企業もありますね。

 

長期保有をする人は、売り時の難しさを考えておくべきと思っています。

2倍で売るなら売ると決めるでも良いでしょうし、5年以内などと期間を決めても良いでしょう。

一生持ち続ける銘柄があっても良いですが、それがいくつもあるのはちょっとずれているかなと感じます。

 

株でも持ち続けることで愛着が湧きます。

やはり、人は感情を抜きに考えることが難しいです。

株は売買することを前提にしている部分が強いので、気を付けて考えてみる必要があるでしょう。

 

まとめ

今回は、株主優待で株を買う時の注意点を説明しました。

所有効果が売却を難しくする理由が分かったでしょうか。

 

株の魅力の一つに株主優待があることは間違いないと思っていますので、長期保有の銘柄を決める際は是非調べてみると良いです。

腰を据えて持つのに理由ができますし、貰えるものも良いものが多くありますから生活を充実させてくれるでしょう。

 

逆に短期売買の人は、とにかく取引に一貫性を持たせることです。

確かに株主優待は魅力的ですが、短期売買では考慮しない方が良い場合が多いです。

チャートで買ったならチャートで売るのは基本です(上のリンク記事でも同様に書いています)。

 

所有効果は、完全に無視することができないと思いますので、買う時点で織り込むと良いです。

売り時を逃して小さな利益(株主優待)で大きな利益(値上がり益)を逃すことがないように対策を取りましょう。

 

関連記事: